型式適合認定|中古購入とリノベーションの際の注意点を解説します

 中古を購入してリノベーション!そんな計画の際、「買ってはいけない物件がある!」という衝撃の事実があります。 

 大切な「あること」を知らずに購入してしまうと、リノベーション工事ができないということがあるのです。中古戸建てを購入してリノベーションを行う際の注意すべきポイントを紹介します。

目次

このブログのポイント

・型式適合認定と呼ばれる住宅会社のルールがあります。この型式認定を知っておくことがリノベーション成功の鍵になることも。

・ハウスメーカーの家は型式適合認定で建てられていることが多い。この場合、リノベーションでの自由度はほぼなくなります。

・型式適合認定が図面などで確認できない場合、建築したハウスメーカーですら触ることができません。

型式適合認定とは

 型式適合認定という言葉をご存知でしょうか。建築業界では略して型式認定と言う人が多いです。さてこの型式認定とは、構造計算が省略できる、という認定のこと。どういうことでしょうか。

型式適合認定|構造計算は義務だけど

 本来、建築基準法では建築物の構造計算は義務となっています。1件1件、建築確認申請を通じて適合を受けるのが法律の定めです。ところがあらかじめ使用する部材や設計のルールなど詳細の認定を得ることでこの構造計算を省略することが可能です。

 余談ですが、住宅会社さんに「構造計算していますか」と聞いても「しています」と答えると思います。ですが法律で定められた構造計算は2種類しかなく、構造の検討をすることを「構造計算」と評する住宅会社も多いので注意が必要です。

型式認定は大量生産に向いている

 本来1件ずつ建物構造の適合を受けるべきなのですが、型式認定を得ていると省略できるわけです。これは大量生産に向いています。住宅メーカー・ハウスメーカーなど大量に住宅を供給する会社だと、認定取得のスケールメリットが発生します。

ハウスメーカーの家は型式認定での建築が多い

 中古戸建てを購入してリノベーションを考えた時、なんとなくハウスメーカーの家だと安心する方も多いでしょう。それはその通りだと思うのですが、リノベーション工事が前提だと型式認定が邪魔をすることがあります。

型式認定の部分を変更することはできない

 型式認定で建てられた住まいの、認定に係る部分は変更することができません。間取りを変更したいと思っても変更することができないわけです。認定箇所が崩れるからです。こうなると、建築したハウスメーカーに頼むしか方法はありません。

建築したメーカーでも触れないことが多い

 型式認定の家を購入した場合、建築したメーカーに認定に関する資料を要求しても企業秘密ですからまず公開することはありません。となると建築したメーカーでしか当該家屋はリノベーションができないわけです。

 しかし、古い住まいになると当該家屋の資料がハウスメーカーに残っていなかったり、認定そのものがすでに古いケースもあるわけです。そうなるとハウスメーカーでも工事をすることができません。リノベーションできないので「建て替えを勧められた」という話を聞いたこともあります。

まとめ|ハウスメーカーの家を購入する際の注意点

 様々なことで安心ができるハウスメーカー・住宅メーカーの家ですが購入の際は注意が必要です。リノベーションやリフォーム工事を望む場合は型式適合認定を先立って確認する必要があります。

型式認定|購入前にチェックすることは難しい

 中古購入前に認定を確認することも一般のお客様には難しい作業です。中古戸建て購入をサポートする不動産会社さんにしても、その認定にまつわる確認作業は仕事外なのでやはりユーザーにとっては解決しにくいことだと思います。

 リノベーションが前提の場合、ハウスメーカーの家を絶対購入してはいけない、ということではありませんが、このような注意点を知っておくことは大切です。物件購入の際のポイントととしてお役立てください。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

 京都市で家を建てる場合、注文住宅でもリノベーションにおいても京都特有の環境に注意が必要です。不動産会社も京都に根差していますから売買なら不動産会社。建築なら工務店、という風にプロを選びましょう。

 地元での経験が長く、工事経験の豊富な工務店を選ぶことは皆さんの大きな安心へとつながることと思います。また型式適合認定など、法律や施工の詳細に関するところも実績と経験がお客様の不安の払拭につながると思います。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。