京都市西京区で注文住宅を手がけるあまねこうの中川です。

自動車メーカーの型式認定が取り消されたというニュースがありました。初めて聞く人も意外と多いのではないかと思います。実は住宅にもこの「方式認定」というのは存在しています。

◼︎住宅における型式認定とは

簡単に書くと、住宅における材料や構造・設備、またその組み合わせをあらかじめ試験し、建築基準法などに適応していることを認定してもらった構法のことです。

注文住宅などは当然一棟一棟設計し、計算し、申請するのですが、型式認定の通りに建てる場合はこういった申請や計算を割愛できるわけです。工場での大量生産が可能になり、期間短縮や予算低減に役立つ(はず)わけです。

さらに住宅メーカー、ハウスメーカーなどはこの型式認定を取得し、一定の品質の家を量産できるというわけです。

◼︎型式認定のデメリットは?

厳しい試験や検査を経ている型式認定はもちろん安心できるのですが、デメリットはないのでしょうか。

実はリフォームが難しい、などの弊害があります。設計や構造のルールを「型式」として認定されているわけです。代替りや中古住宅を購入して間取りを変更したい等々、構造に関わる部分に手を加えると認定外となるため、結論として工事ができません。

型式の資料は建築したハウスメーカーしか持っておらず、企業秘密でその開示もないため、そのハウスメーカーでしかリフォームできない、ということになります。

このため、リフォームの見積もり金額が妥当かどうかもチェックすることもできないなどの弊害がありそうです。

◼︎資産価値として考えるなら熟考して

新築時に将来のリフォームや売却を具体的に考える人は少ないでしょう。資産価値や将来の価値に目を向ける場合は、1社しか検討できない構造なのかどうか(そもそもその会社が将来存続しているかどうか)など情報を集めておかないと後悔することになるので、ハウスメーカーを検討する場合は知っておいて欲しい知識です。

余談ですが、こういったことを知らない工務店も実在しており、独自の判断で構造変更工事をしてしまうケースを実際に中川は知っています。怖いことですね。