気がつくと11月も中旬となりました。あと1ヶ月半もすると年末年始を迎えます。この時期はリフォームやリノベーションが忙しくなり、バタバタと動き回っています。京都市西京区でリフォーム・リノベーションを手がける「あまねこう」の中川です。

建築の工事に於いて、地味なのですがすごく大切な仕事があります。それは「荷揚げ」です。
聞いたことがない人が多いと思います。これは文字通り材料や建材を「揚げる(上げる)」仕事です。
大工工事や内装工事と違い、何かを形にする作業ではないため、日の目を見ることがないのですが、この仕事無くして建築の現場はスムースには進みません。

荷揚げと工程と工事の安全

工事で使う材料や建材を運んでくれるのですが、我々が運ぶよりも圧倒的に早く、安全に、かつ周囲にも優しく運んでくれるのです。これはまさにプロの技。

この仕事の大切さはまず「工程」。現地に材料と建材が無いと当然作業はできません。現場に大工さんや職人さんが居るからといって、その人たちに運んでもらうというのはその方々の作業を止めることになります。
職人さんって気遣いのできる方が多く、手伝おうとしてくれる人がほとんどです。
しかし、作業を止めるということは工程や品質に関わるし、慣れない運搬でケガをしたりすることもあるわけです。

荷揚げ屋さんもケガと紙一重のところで仕事をしてくれるのですが、本当に上手に運んでくれるのです。

現場周囲の保全と安心

荷物を運んでいると右左、上下、後ろ前、と確認しながら運ぶことになります。そしてどれだけ注意していてもどこかにぶつけたりすることがあります。
お客様の大切なお住まいに傷をつけることになってしまうわけです。これを本当に上手に運んでくれるわけです。住まいだけではなく、大切な材料や建材を傷めることもありません。プロの技なんです。

この荷揚げという仕事、前述したように工事が完了した時に目に見えるものではありません。見積もりのご説明をしていると「運搬に経費(人件費)ってなんだ」とか、「そんなのそちらの経費でまかなってよ」と昔はよく言われました。
目に見えない作業だけに、金額を下げたいという気持ちですね。これはしかし、現場を預る者としては、工事の安全、工程、段取り、各職人さんの作業、周囲の環境を鑑みた時には絶対に必要な工種(工事の種類)です。

お客様にとっては工事代金は安い方がいいことは当たり前のことです。が、工事のクオリティや工務店、住宅会社としての資質を考えると割いてはいけない工種だと思います。「段取り悪くても、安全安心考えなくても安い方がいい」という人は皆無だと信じています。