こんにちは。京都市西京区で自然素材・天然素材を使った注文住宅やリノベーションを手がける「あまねこう」工事担当の中川です。
今日は現場で改めて感じた「木の耐久性」について、少し日常の出来事を交えてお話します。
ビニルや樹脂は必ず劣化する

先日、家の片付けをしていると、昔から大事にしていた「峰不二子の人形付きボールペン」に触れた瞬間、表面がベタベタに…。
これはビニル製品やゴム製品によくある現象で、高温多湿の環境下で加水分解が進み、可塑剤や接着剤が表面に滲み出してくることが原因です。
いったんこの状態になると、拭き取ってもまた内部から滲み出し、最終的にはボロボロに崩れてしまいます。プラスチック、ゴム、PVC(ソフトビニル)製品などは必ずこのサイクルをたどります。
住宅でも同じ現象が起きる


私の自宅は築20年の木造住宅です。その中で、トイレの棚や扉の表面材がめくれてきています。これは手入れ不足ではなく、接着剤や化成品そのものの寿命によるものです。
つまり、化学合成材は素材や接着剤の寿命がそのまま製品の寿命になってしまうのです。
木は劣化ではなく「経年変化」する
一方、ホンモノの木は違います。
木は凹んだり汚れたりすることはあっても、それは修繕やメンテナンスで回復可能です。そして構造的には劣化せず、時間とともに味わいが増します。
昭和の木の仕上げは今も健在
例えば姫路城に行ったことがあるでしょうか。
姫路城の内部の柱や梁などは、建築当初のものがまだ残っています。江戸時代になって補修された部分が大多数あるのですが、それでも17世紀の改修。はるか昔です。
それでも今も美しさを保っています。表面に少しの汚れや傷はあっても、構造や素材としてはしっかりと使えます。これは木が持つ圧倒的な耐久性の証拠です。
木の可能性はもっと広い
木で作るキッチンや家具

「木は水に弱い」「汚れやすい」と思われがちですが、正しい扱い方を知れば全く問題ありません。
木製のキッチンやカウンターも長く使えますし、修理も可能です。
化学物質過敏症のお客様のための家具

以前、化学物質過敏症で悩まれていたお客様のために、一切接着剤を使わない木製の机を製作しました。この家全体でも接着剤を使っておらず、結果的に健康的でかつ長寿命な住まいになっています。
まとめ
- ビニルや樹脂は必ず劣化し、寿命は接着剤や可塑剤に左右される
- 木は劣化ではなく経年変化し、適切なメンテナンスで長持ちする
- 有名な姫路城の木材は現在でも健在
- 自然素材を使えば、長寿命で健康的な住まいづくりが可能
京都で注文住宅やリノベーションをお考えの方は、ぜひ「木の可能性」を知っていただきたいと思います。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。
2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。
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