現場監督の代表的な仕事とは

 マイホームをご計画中のみなさんは住宅会社のスタッフをどのように見ているでしょうか。営業さん、設計さん、コーディネーターさん、ひょっとするとちょっとわからない何かの担当さん、という感じではないでしょうか。

 そして「監督さん」と言われる現場監督がいます。この現場監督とは一体どのような仕事をするのでしょうか。

目次

このブログのポイント

・現場監督は現場の進行を円滑に進め、工程や工事内容のチェックを行います。施工管理と似ているのですが、その違いと住宅会社の場合を解説します。

・お客様のために現場を保全したり、職人さんや周囲の安全管理を行います。

・工事のクオリティを保つのも重要な仕事です。指示事項の伝達を的確に行う必要があります。

現場監督|工事の進行状況と内容のチェック

 現場監督の主な仕事は工事の進捗状況やチェックです。現場においての具体的な作業指示や、職人への指示指導がメインとなります。

建材や資材の発注|現場監督の仕事の一つ

 現場監督の仕事はかなり多岐にわたります。住宅会社によっては建材や資材の発注が別部門になっている会社もありますが、ほとんどは現場監督が発注業務を行なっています。

現場監督と施工管理の違い

 現場監督と施工管理の仕事は酷似しています。わかりやすく言うと現場監督の上に位置するのが施工管理です。施工管理が作成した工程や品質管理、原価管理などを、実際に現場にて伝達、実行するのが現場監督。そんなイメージです。マイホーム、住宅においては、兼任していることが多いと思います。

工程や進捗状況のチェック

 工事の進捗を管理するのも現場監督です。基礎工事、大工工事(木工事)、その他様々な工事のことを指して「工種」といいます。注文住宅ならこの工種は30種類前後。

 この工種の適時発注、さらにそれぞれに必要な建材資材、そして工事のタイミングとクオリティを管理することが仕事です。工事に関わる法律や規定もあるのでその確認と指示指導も行います。

現場の安全や保全も重要です

 現場はお客様の大切な財産です。その財産をお預かりして工事をしています。そのことから職人さんの入退室の管理も行います。昔々は実は適当でした。しかし最近はお客様の財産・資産であるということだけでなく、職人さん自身の安全を確保するということも重要になっています。

現場の安全確保

 現場の安全確保は大切です。足場などでも階段の位置や細かい部分も確認して設置します。また、現場に居る時には「掃除・清掃」も安全につながる重要な作業です。

建材や資材の発注|現場監督の仕事の一つ

品質確保のための工夫

 画像はユニットバスの施工前の風景です。必要な情報を書き出しています。建材メーカーとの打ち合わせの際、メーカーはメーカーで管理担当者が打ち合わせに来てくれるのです。

 この場合、実際に施工する職人さんが来るわけではありません。その際のコミュニケーションロスを無くすために、指示書や議事録の他にこうやって現場そのものに指示を残します。

品質確保のための工夫

通常よりユニットバスを3mm下げる現場の図面。その3mmで仕上がりが大きく変わります。

 また、その現場だけの指示事項があることも多く、その伝達も重要です。「納まり」と呼ばれる仕上がりの部分が他の現場と違う場合、指示伝達がないと「いつも通り」の仕事をしてしまい、お客様の要望や図面と違う仕上がりになることもあるからです。

品質・クォリティの管理|現場監督の重要な仕事

 各業者さんと施工前に様々な確認をします。手間がかかるのですが、工事費用(見積もり)の金額の差にはこういった現場管理の姿勢も人件費として現れます。住宅会社によっては、各業者に任せることによって経費を下げて、工事費用を低く抑えている会社も存在します。

 そういった会社は、その方法で現場が進むようにシステム化しています。故に、そういうシステムの会社にそのシステム以外の注文をすると、注文そのものができなかったり、品質が低下したりします。

 注文住宅のクォリティは、現場管理に現れます。住宅会社が何を得意にしているか、しっかり確認することがポイントです。お客様が希望することを得意な会社に依頼することが大切です。

品質・クォリティの管理|現場見学会で確認

 検討している住宅会社の工事中の現場を見学できる機会があればオススメします。昨今、構造見学会は不人気で来場者はほとんどありません。企画する住宅会社も大変減っていますが、工事中の現場には住まいづくりを考えているお客様にとって大切な情報が満載です。

まとめ|現場監督の仕事

 現場監督の代表的な仕事を紹介しました。施工管理とは似て異なるのですが、住宅会社においては兼任していることがほとんどです。いずれにせよ、現場の進捗、品質の管理、安全管理、そういったことに注力しています。

住宅会社が行う普段の仕事が住宅会社選びのポイントです

 今回の記事で、住宅会社によって管理の方法や標準の仕事が違うのがご理解いただけたと思います。細かい造作や仕上がりを要望する場合は、標準的にそういう工事をしている住宅会社を選ぶ方が「しっかりと品質管理」される、と言うことです。

 コストを下げるために施工要領を標準化し努力している住宅会社さんも多くあります。そのおかげで安く提供できるわけです。そういった住宅会社さんに細かい要望をすることは、洋食屋さんに和食を依頼するようなもの。安いから悪い、高いから悪い、ということではなく、お客様の要望とマッチさせることが、住まいづくり成功のための一番のポイントです。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

 京都市で家を建てる場合、注文住宅でもリノベーションにおいても京都特有の環境に注意が必要です。景観条例に代表される京都ならではの規制や、間口が小さく奥行きが長い、道路幅が狭い、などの状況など。

 地元での経験が長く、工事経験の豊富な工務店を選ぶことは皆さんの大きな安心へとつながることと思います。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。