家づくりの中には、ちょっとした工夫やデザインの小技によって、住まい全体の雰囲気が大きく変わる瞬間があります。
今回は、実際の施工例をもとに「小さな工夫で生まれる大きなデザイン効果」をいくつかご紹介します。
モルタル床に木目地を加えたデザイン

ある建物の床仕上げの紹介です。目地に木材を使い、目地の通りを幾何学的に配置することでリズム感を生み出している事例です。
モルタルに砂利を混ぜて表情を出し、単調になりがちな床面にアクセントを加えています。シンプルなモルタル仕上げでも、このような工夫を取り入れると印象がぐっと変わります。
入口のタテ枠を長く伸ばす効果

同じ建物の室内入口では、タテ枠を少し長めに伸ばすデザインを採用。
これにより、空間全体が引き締まり、入り口が印象的に見えます。施工時には壁との取り合いが難しく、職人さんにとっては手間のかかる作業だと思います。しかし、その分仕上がりに独自の存在感が生まれています。
キッチンパネルに石材を採用

無添加住宅での施工例。
キッチンには一般的なパネルではなく、玄昌石(粘板岩)を使用しました。
重量もあり施工は大変でしたが、石ならではの質感と重厚感がキッチン空間をより魅力的に演出しています。素材感にこだわりたい方におすすめのアイデアです。
梁をビニルクロスで木目調に仕上げる

こちらの住まいは京都市内のど真ん中。準耐火構造物なので、構造材の木部をそのまま見せることができませんでした。
しかし「梁を木の雰囲気で見せたい」というお客様の強い要望に応えるため、木目調のビニルクロスを梁に貼る方法を採用。結果、デザイン性と法的要件を両立させることができました。職人さんの技術に感謝です。
まとめ:小さな工夫が住まいをもっと楽しくする
今回ご紹介したのは、ほんの小さな工夫やアイデアばかりですが、住まいの印象を大きく変える力を持っています。
ちょっとした手間がデザイン性や暮らしやすさにつながる——そんな住まいづくりの楽しさを少しでも感じていただければ幸いです。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。
2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。
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