着工する前に工事内容をすべて決めよう! みなさんこんにちは。京都市西京区で注文住宅、リノベーションを手掛ける「あまねこう」の中川です。 早速ですが、工事費用はできるだけ安くしたい!というのはみなさんの本音だと思います。断言します。「建築費用が高くなる理由は人件費である!」。誤解を恐れず申し上げます。 結論から書くと工事費用が高くなったり、かさむのは「着工前に工事内容のすべてを決定していないから」ということです。 さらに経験から言うと、新築よりもリフォーム・リノベーションの方がこの傾向が強いと思います。「自由設計だから現場で決めるのがホントの注文住宅」「リノベーションでも注文住宅でもお客様のこだわりをカタチにするため」「現場を見ながらお客様の要望に合わせる」などなど、当たり前のように使われるこの言動がハイコストになる原因です。 ▶︎決めてから着工する、という意識を工務店が持つこと もちろん、現場でしか打ち合わせができないこともあるのですが、それはそれです。「すべて決めてから着工するという意識を工務店側が持っているかどうか」と言うことに尽きると思います。 中川の経験を一つ紹介します。サラリーマン時代下請けでやっていたある工事。事情があり工事の途中で中川が現場監督を交代しました。マンションリノベーションで大工さんがガンガン仕事を進めているのに、キッチンがまだ決まっていなかったのです。 キッチンの水道、お湯、排水の位置はミリ単位です。キッチンの大きさや長さ、種類が決定しないと位置も正確に決まらない。配管を仕込むこともできないし、大工さんは床下地を貼ることもできません。 キッチンがすべて未定のままのままで工事が進みません。お施主様は「キッチンはこのあたりに設置して欲しいって言ってるじゃないか!工事を進めろ!」と元請けには仰ってる模様。 それを元請けが中川に伝えてきたのですが、いや「このあたり」って...(元請けさんに説明したら「今更お客様に言えない」と言われました。そしてこの現場では結局キッチンの位置が大きく変更されるという大事件も発生しました) こんなことで現場が止まったり進まなくなったりすると当然人件費がかさむので工事費用は上がっていきます。 また「出戻り」と呼ばれる「職人が現場に来たけど工事ができない」という状況が発生すると、工事してないのに手間賃だけが発生する、ということもあるのです。 なぜこんなことが起こるのでしょうか。それには実は理由があるんです。答えは販売側の論理、都合です。 ▶︎この記事はお客様への情報提供です ほとんどの工事会社は受注(契約)、売上を優先してお客様と商談しています。(もちろん企業ですから大事なことなんです) 早く着工したいし、早く引き渡したい。忙しいから後で決めればいい。よくわからないから下請けに全部任せる。お客さんと打ち合わせして適当にやっておいて、と丸投げしてくる。 これら全部、下請けの際に言われた言葉です。元請けも工務店なのに、すべての見積りや段取りを下請けにさせる会社もあります。 下請け会社は前述のような元請け会社から依頼を受けると、工事費用がかさむので、多めに人件費を算入します。当然みなさんへの見積金額は大きくなってしまいます。 こうなると、その会社に発注する意味もないような気がしますし、お客様が気の毒でなりません。 もちろん、ちゃんとした元請け会社もたくさん存在します。しっかり工事管理をしていて「さすがだな!」と思う工務店さんを知っています。要するに問題なのは、それらを判断する情報がお客様側にない、ということ。 そんな理由から、みなさんのお役に立てればと様々な情報発信をしています。ぜひ当社のブログ、記事をご活用いただいて、住まいづくりに役立てていただきたいと思います。 また、「建築費用を安くする方法ってあるの」という記事を書いています。建築費用、見積りをできるだけしたい方には参考になると思います。 この記事を書いた人 中川 高士:あまねこう代表 営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。 住まいづくりで悩む方々へ 「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」「いろいろ勉強してからスタートしたい」いい家を建てたいなら、いい住まいづくりをしないと失敗します。 問い合わせる