NISA(少額投資非課税制度)の制度が変わります。なんとなくわからない人にとっては「ふ〜ん」「そうなの?」程度の話題だと思います。今日はなんとなくで済ませてしまうと怖いことになってしまう「住まいにまつわるお金のハナシ」をお届けします。西京区で自然素材・健康住宅を手がける「あまねこう」の中川です。

住宅営業と建築知識と資金計画の話

社会人としてこの業界に入ったのは26歳の時でした。誰もが知っている超有名ハウスメーカーに入社したのです。実家が工務店ということもあり、また幼少の頃から現場の手伝いをしていたので建築の仕事にはまったく不安はありませんでした。

ちょうど阪神淡路大震災で神戸、淡路島が大変なことになっている年。被災された皆さんのところに営業に行き、「こんなこと(営業)していいんだろうか?」と気の弱い中川は悩んでいたのを覚えています。
そんな中、被災者だけではなく他のエリアでも営業を行い、それなりに商談の数もありすごく忙しかったのも思い出です。

ところが、営業成績は最低だったのです。よく辞めなかったと思うくらい当時の成績は下位の下位。建築や家の話題なら中川より詳しい人間は周囲にはいませんでした。しかし営業成績は振るわず。今ならパワハラ・モラハラと言われるくらいのプレッシャーも会社からいただきました。

資金計画・お金は生き物です

そんな時、先輩が言ってくれたことがあります。人生を変える言葉でした。
「家の話がいくら出来ても家は売れん。資金計画、お金の話ができない奴にはこの仕事はできん」と。

そこからの中川は自慢できるくらい勉強しました。当時はインターネットもなかったので、銀行に通い倒し、専門書を読み漁り、◯◯◯金融道まで参考書にし、接客時には「資金計画BOOK」と名付けた手製のファイルを肌身離さず接客、実践。

そうすると、全国で何位、というくらい営業成績は向上し、前述のように人生が変わったのです。分かったことは、お金ってお客様の状況や計画内容によって魑魅魍魎から神々にまで変化する恐ろしい生き物ということ。ここから本題です。

資金計画・お金のハナシはいつするか?

資金計画やお金の話はいつするのか。答えは「最初」です。計画段階の最初にしなければなりません。
住宅会社はなんとか商談にこじつけたいので「間取り」「プラン」など夢の話で釣ってきます。けれどもマイホームという一生を左右するようなイベントでは、面白くなさそうな話を先にしましょう。

当時、実際にあった話を一つ。
どうしても資金計画を「させてくれない」お客様がいらっしゃいました。土地を購入し注文住宅を建てる。マイホーム取得で一番難しい計画なのに。中川と当時の住宅会社のことは気に入っていただいたのですが、「お金の話を他人にしたくない」「財布を覗かないで」と一切手出しをさせてくれませんでした。

建物だけの見積もりと工事だけ。そして悲劇が起こりました。お引き渡しの際、最終金が足りない、と。
「なんで計算が合わないんでしょうか」と尋ねられたのですが、私にわかるはずもありません。工事に不備はありませんでしたので最終金を頂かないと引き渡しはできない。
これは諸費用やその他の工事を全く鑑みてらっしゃらなかったのです。おそらく仲介手数料から始まり、印紙代やその他、必要なまま必要な時に支払っていき最後の最後に足りなくなったのです。

お金は生き物です。支払うタイミングでも金利が変わったり、税金が変わったりします。最初の最初にコントロールしておかないと、支払いはできたけど余分なお金を支払っていた、ということも起こります。
お金の話…ワクワクはしないかもしれませんが、資金計画は一番最初に行いましょう。