新築住宅の価格が上がり続ける今、「中古住宅を買ってリノベーションする」という選択が注目されています。

立地を重視できるうえ、理想の間取りやデザインを実現しやすい点も魅力です。しかし、「安く買えたと思ったのに、リフォーム費用が想定より高かった」という声も少なくありません。

中古住宅購入+リノベは、事前の判断がすべてを左右します。今回は、後悔しない家選びのためのポイントを整理します。

なぜいま「中古住宅購入+リノベ」が選ばれるのか

建築コストや材料費が上昇するなかで、新築よりも現実的な選択として中古住宅の価値が見直されています。

特に京都では購入できる土地が限られており、利便性の高いエリアで希望の家を建てるのが難しくなっています。中古住宅なら、駅近や生活圏内の立地を確保しながら、自分らしい住まいを実現できます。

一方で、築年数が古い物件は劣化が進んでいることも多く、「見た目のきれいさ」だけで判断すると後悔するリスクがあります。
リノベーションを前提とした中古住宅選びには、正しい視点が必要です。

買う前に必ず確認したい3つのポイント

1. 構造と耐震性能

中古住宅では、築年数が古いほど耐震基準が旧法のままの場合があります。

リノベーションを検討するなら、構造の補強を前提に考えることが大切です。
特に京都は木造住宅が多く、柱や土台などの状態を正しく把握しなければ、理想のリノベが実現しません。

2. 断熱と気密性能

間取りやデザインを優先しがちですが、断熱性能を見落とすと光熱費がかさむ家になります。

断熱材が劣化していたり充分でないなど、当時の基準で施工されている場合も多いため、
「内装の変更より、まず断熱を整える」という視点でリノベを計画することも大切です。

3. 法規や地域の制限

中古住宅をリノベする際には、法的な制限が思わぬ壁になることがあります。用途地域や建ぺい率・容積率のほか、京都市では景観条例や準防火地域の指定によって、外壁の色や屋根形状、材質やサッシなどに制約がかかる場合もあります。

リノベ計画を立てる前に、これらの条件を確認しておくことが重要です。

「リノベ前提」だからこそ大事な視点

中古住宅を購入してからリノベーションを行う場合、最初に見るべきは「デザイン」ではなく建物の骨格と性能です。

構造や基礎、屋根、配管など、直しにくい部分の状態を優先して確認しましょう。

また、購入予算をすべて物件に充ててしまうと、思い描いたリノベーションが難しくなります。物件価格や工事費のバランスをしっかりと整理しましょう。

早い段階で施工会社に相談し、どこまでリノベできるかを一緒に判断しておくことが、後悔を防ぐ最善策です。

京都市内では景観や防火に関する地域指定も多く、外観や色に関するルールを把握したうえでプランを立てることが大切です。

自然素材との相性も考える

リノベーションで自然素材を取り入れる最大のメリットは、湿度環境を整えることにあります。

京都のように夏の湿気と冬の乾燥が極端な地域では、結露やカビが発生しやすく、室内の空気がこもりがちになります。

漆喰の壁や無垢の木は、空気中の水分を吸収・放出して湿度を一定に保ちやすく、表面結露を防ぐことでカビや腐朽菌の繁殖を抑制することに期待が持てます。

つまり、自然素材そのものが「通気性を補う仕組み」として働くのです。

まとめ

中古住宅購入+リノベの家づくりは、「安く住む」ではなく「価値を再生する」選択です。

後悔しないためには、購入前にリノベの目線で物件を見ることが欠かせません。

構造・断熱・法規の3点を押さえ、自然素材の力を取り入れれば、見た目も性能も長く愛せる住まいがきっと実現できると思います。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

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