家づくりを考え始めると、必ず出てくる疑問があります。

今は建てどきなのか。
もう少し待ったほうがいいのか。
金利は上がるのか。
頭金はもっと貯めるべきか。

住宅会社に相談すると「早いほうがいい」と言われるでしょう。

ただ、それは立場上そう言いやすい面もあります。では、客観的に見てどう判断すればいいのでしょうか。

【結論】「今が得かどうか」ではなく「準備が整っているか」で判断する

家を今建てるべきかどうかは、金利や物価の予測だけで決めるものではありません。
市場を完璧に読むことはできないからです。

大切なのは、次の3点が整っているかどうかです。

  • 毎月、無理のない支払いができるか
  • 生活設計が整理されているか
  • 資金計画(頭金を含む)が現実的か

この3つが整っているなら、「今は不安だから待つ」よりも、前に進めたほうが結果的に安定することが多いです。

なぜ「今は建てどきか?」という問いは難しいのか

金利は正確に予測できない

住宅ローン金利は動きます。ただ、将来の金利水準を正確に当てるのは不可能です。

「上がる前に急ぐ」という判断は合理的に見えても、不安が先行してしまうと、条件確認が甘くなることがあります。

建築費は長期的に上がりやすい

木材価格、設備価格、人件費など、建築費を構成する要素は長期的に上がりやすい傾向があります。「待てば安くなる」と断言できる状況ではありません。

制度変更も読み切れない

消費税、住宅ローン控除、補助金制度などは、将来どう変わるか確定していません。

つまり、「完璧なタイミング」を待ち続けるのは難しい、というのが現実です。


判断基準① 毎月の支払いに無理がないか

最も重要なのはここです。

手取り収入に対して余裕があるか。
教育費や老後資金を圧迫しないか。
ボーナス払いに依存しすぎていないか。

基本は「借りられる額」ではなく「払える額」で考えることです。
家は建てた後のほうが長いので、無理のない支払い設計が最優先になります。

判断基準② 生活設計が整理されているか

家はゴールではなく、暮らしの器です。
ここが曖昧だと、建てた後に「想定と違った」が起きやすくなります。

たとえば次のような点です。

・こどもの人数や教育方針はどうか。
・転勤の可能性はあるか。
・親との距離感はどうするか。
・将来、住み替えや売却の可能性はあるか。

ここがある程度整理できていると、「今建てる/待つ」の判断もブレにくくなります。

判断基準③ 資金計画が現実的か(頭金は「目的」で決める)

「もっと頭金を貯めてから」と考える方も多いですが、頭金にはメリットと注意点があります。
大事なのは、頭金の額そのものより、資金計画全体の整合性です。

頭金を増やすメリット

借入額が減る。
月々の返済負担が軽くなる。
金利負担が減る。

頭金を増やすことの注意点

・金利が上昇する可能性がある
(貯金額よりも金利の方が増える可能性がある)
・建築費が上昇する可能性がある。
・家賃を払い続ける期間が長くなる。

つまり、「貯めれば有利」とは限りません。
頭金は“増やすこと”が目的ではなく、月々の返済を無理のない形に整えるための手段として考えるのが現実的です。

「今建てる」メリット

家賃の支払いを、住まいの費用(資産側)に寄せられる点は分かりやすいメリットです。

賃貸は住み続ける限り家賃が発生しますが、住宅ローンは返済の一部が元本返済になり、将来的に住まいが残ります。

また、早めに計画を進めることで、定年前に完済を目指しやすくなる可能性があります。老後の固定支出を減らせるのは、長期的には大きな安心材料です。

※ただし固定資産税や修繕費は必要です。

「待つ」メリット

自己資金を増やせる

自己資金が増えれば、借入額を減らせる可能性があります。月々の返済負担を軽くできるのは確かに利点です。

ただし、金利上昇や建築費上昇の可能性もあるため、「待てば必ず有利」とは言い切れません。

方向性をじっくり整理できる

どんな暮らしをしたいか。
どこに住みたいか。
将来設計はどうするか。
この整理が進むほど、会社比較や打ち合わせも安定します。

焦らず住宅会社を比較できる

時間に余裕があると、複数社の資金計画や提案を落ち着いて比較できます。
担当者との相性も含めて判断できるのは、待つ側の強みです。

よくある質問

Q. 金利が上がる前に急ぐべきですか?
A. 金利だけを理由に急ぐのはおすすめしません。まずは「毎月の支払い」と「生活設計」が整っているかを優先するのが安全です。

Q. 頭金はどのくらい必要ですか?
A. 一概には言えません。重要なのは、毎月の返済額が無理のない範囲に収まるかどうかです。

Q. 今後、住宅価格は下がりますか?
A. 短期的な変動はありますが、長期で「必ず下がる」とは言い切れません。だからこそ、市場予測より準備の整い具合で判断するのが現実的です。

まとめ

家を今建てるべきかどうかは、金利や物価の予測だけで決めるものではありません。

  • 毎月の支払いが無理なくできるか
  • 生活設計が整理されているか
  • 資金計画が現実的か

この3点で判断することが大切です。
市場を読むよりも、まずは自分たちの準備を確認する。これが金利・物価上昇時代の現実的な判断基準になります。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

住まいづくりで悩む方々へ

「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
「いろいろ勉強してからスタートしたい」

いい家を建てたいなら、
いい住まいづくりをしないと失敗します。