住まいづくり・家づくりの相談を受けていると、

「間取りはこれでいいですか?」
「断熱性能はどれくらい必要ですか?」

という質問を、最初にいただくことがよくあります。

もちろん、間取りも性能も大切です。
ただ、それらをいきなり考え始めると、家づくりがうまくいかないことが多いと思います。

理由はとてもシンプルで、
今の暮らしをきちんと見ないまま、未来の家を決めようとしてしまうからです。

今の暮らしには、すでに「答えのヒント」がある

たとえば、

・朝の支度は、家族がどこで滞っているか
・洗濯や片付けは、どこで面倒に感じているか
・落ち着ける時間は、家のどこで過ごしているか

こうしたことは、特別な知識がなくても、
今の住まいを振り返れば必ず見えてくるものです。

それなのに、

「最新の間取り」
「高性能な家」

という情報から入ってしまうと、
自分たちの暮らしとのズレに気づきにくくなります。

間取りや性能は「答え」ではなく「手段」

間取りや性能は、暮らしを良くするための手段です。
でも、手段から先に決めてしまうと、

・なぜこの間取りなのか
・なぜこの性能が必要なのか

という理由が、あとから曖昧になってしまいます。

結果として、

「なんとなく良さそうだから」
「みんながそうしているから」

という判断が増え、
住み始めてから「思っていた暮らしと違う」と感じやすくなります。

今の不満は、家づくりの“最大のヒント”

実は、
「今の家の不満」は、ネガティブなものではありません。

・ここが使いにくい
・ここが落ち着かない
・ここは変えたい

こうした感覚こそが、
次の住まいで大切にすべきポイントを教えてくれます。

間取りや性能を考える前に、
まずは「今の暮らしで、何に引っかかっているか」を言葉にしてみてはどうでしょうか。

それだけで、家づくりの軸は驚くほどブレにくくなります。

詳しくは以前の記事が参考になると思います。

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家づくりは「未来」より「現在」から始めた方がうまくいく

理想の暮らしを考えることも大切ですが、その前に、今の暮らしを丁寧に見直すこと

それができていれば、間取りや性能を考える段階に入ったとき、「選ぶ理由」がはっきりします。

家づくりは、新しい暮らしをつくる作業であると同時に、今の暮らしを整理する作業でもあります。

もしこれから家づくりを考えるなら、いきなり図面や数値を見る前に、ぜひ一度、「今の暮らし」をゆっくり振り返ってみてください。

そこに、家づくり・住まいづくりの出発点があると思います。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

住まいづくりで悩む方々へ

「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
「いろいろ勉強してからスタートしたい」

いい家を建てたいなら、
いい住まいづくりをしないと失敗します。