家づくりを考え始めると、「断熱性能」「気密性能」「耐震等級」など、いわゆる「性能」という言葉をよく目にするようになります。

もちろん、性能はとても大切です。

ただ一方で、性能を最優先にしすぎた結果、暮らしにくさを感じてしまうケースも少なくありません。

この記事では、性能を否定するのではなく、
「性能と暮らしのバランス」という視点で、初心者が陥りやすい落とし穴を整理します。

なぜ「性能重視」の家づくりが増えているのか

近年、住宅の性能は数値で比較しやすくなりました。

UA値、C値、耐震等級など、分かりやすい指標が増えたことで、「数字が良い=良い家」と考えやすくなっています。

また、SNSや住宅系メディアでも高性能住宅が“正解”のように紹介されることが多く、初心者ほど性能を軸に判断しがちです。

落とし穴① 数値を優先しすぎて「暮らし」が後回しになる

性能を追求するあまり、

・窓が小さくなる
・間取りの自由度が下がる
・収納や動線の工夫が後回しになる

といったことが起こりやすくなります。

結果として、「数値は良いけど、なんとなく使いにくい家」になってしまうケースがあります。

落とし穴② 性能のためのコスト増で他を削ることになる

高性能を目指すほど、建築コストは上がります。
その結果、

・本来やりたかった間取りを諦める
・素材や仕上げを簡素にする
・外構や収納が後回しになる

といった“別の後悔”が生まれることも。

性能だけを優先すると、「お金の使いどころ」が偏ってしまうことがあります。

落とし穴③ 性能が高ければ快適、とは限らない

性能が高い家でも、

・暮らし方に合っていない
・使い方の説明が不十分
・家族構成や生活リズムと合わない

と、快適さを感じにくいことがあります。

たとえば、
「静かすぎて落ち着かない」
「温度は一定だけど、なんとなく寒い(暑い)」
といった声も実際にあります。

大切なのは「何のための性能か」を考えること

性能は、暮らしを支えるための手段です。目的そのものではありません。

・どんな時間を家で過ごしたいか
・どこで落ち着きたいか
・家事や動線で何を楽にしたいか

こうした暮らしのイメージが先にあって、そのために必要な性能を選ぶ、という順番が大切です。

性能と暮らしを両立させるための考え方

・すべてを最高レベルにしようとしない
・自分たちの生活に必要な性能を見極める
・数字だけでなく、体感や使い勝手も重視する

性能は「足りない」のは問題ですが、「過剰」になると別の不満を生むことがあります。

まとめ|性能は“優先順位の一部”として考える

性能は、家づくりにおいて欠かせない要素です。ただし、それを最優先にしすぎないことも同じくらい重要です。

家は、性能を自慢するための場所ではなく、毎日の暮らしを心地よくするための場所

性能・間取り・素材・動線。
それぞれのバランスを取りながら、自分たちにとって「ちょうどいい家」を考えいきましょう。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

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