
どんなに丁寧に建てた家でも、年月とともに少しずつ劣化していきます。
特に京都のように湿気が多く、寒暖差の大きい地域では、家の寿命を縮める要因が重なりやすいのが現実です。
長く快適に住み続けるためには、見た目ではなく「見えない部分をどう守るか」が重要です。
今回は、家が傷む3つの原因と、それを防ぐホウ酸の働きを紹介します。
家が傷む3つの原因とは?

1. 湿気
日本の住宅の劣化原因の多くは、湿気にあります。
梅雨や夏の蒸し暑さ、冬の底冷えによる結露など、京都のような高湿度地域では特に注意が必要です。
湿気が木材に吸収されると、膨張と収縮を繰り返して劣化を進行させ、放っておくとカビや腐朽菌の温床にもなります。
2. 菌(腐朽菌・カビ)
湿気を好む菌は、木材内部に侵入して分解を始めます。
腐朽菌は木の繊維を破壊して強度を奪い、カビは空気中に胞子を放出して、アレルギーや喘息などの健康被害を引き起こすこともあります。
このように「見えない部分の菌の繁殖」が、家を静かに蝕んでいくのです。
3. シロアリ
湿気を好むシロアリは、木材の内部を見えないところから食べ進めていきます。
特に床下や基礎周りなどの湿気が多い場所は要注意。
気づいたときには土台や柱が空洞化しているケースも少なくありません。
シロアリ被害は補修が難しく、場合によっては構造の入れ替えが必要になることもあります。
ホウ酸が3つの原因すべてに効く理由

ホウ酸は自然界に存在する鉱物で、化学薬剤のように揮発せず、木材内部に安定してとどまります。
そのため、一度処理を行えば長期にわたって効果を発揮します。
- 湿気対策:ホウ酸は温度や湿度に左右されず、常に安定して木材を守ります。
- 防カビ・防腐:微生物の代謝を抑える働きがあり、菌が生きられない環境をつくります。
- 防蟻(シロアリ対策):シロアリがホウ酸を摂取すると、体内で代謝が止まり、巣全体に効果が広がります。
つまり、ホウ酸は「湿気・菌・シロアリ」という家の3大劣化要因をひとつの素材で抑えることができるのです。
再施工不要で、長期的に家を守る
一般的な防蟻薬剤は3〜5年で再施工が必要ですが、ホウ酸は鉱物であり分解・揮発しません。
一度の施工で木材に深く浸透し、長期的な防護効果を発揮します。
再施工費や点検の手間が減り、結果的にメンテナンスコストを大幅に削減できます。「長持ちする家」は、施工直後の性能よりも持続する仕組みをどう作るかで決まります。
構造を守る=資産価値を守る
家の耐震性能や断熱性能は、構造体が健全であってこそ発揮されます。
もし木材がシロアリや腐朽菌に侵されれば、耐震性や安全性は一気に低下します。
ホウ酸は、こうした構造材の“劣化そのもの”を防ぐため、家の寿命を延ばし、資産価値を守る投資としても非常に有効です。
自然素材の家とホウ酸の好相性

無垢材や漆喰などの自然素材とホウ酸は、どちらも“呼吸する素材”です。
ホウ酸は化学反応を起こさず、素材の性能を損なわないため、自然素材の家と高い親和性を持っています。
空気を汚さず、人体にも安全で、小さなこどもやペットにも安心。
「自然の延長で家を守る」という考え方に、ホウ酸はぴったりの存在です。
まとめ
家が傷む3つの原因――湿気、菌、シロアリ。
この3つに同時に作用するホウ酸は、家の寿命を延ばすための最も自然で確実な方法です。
一度の施工で長く効果が続き、メンテナンスコストを抑えながら、住まいを健やかに保つ。
ホウ酸は、これからの京都の家づくりに欠かせない“長寿命住宅の鍵”です。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
住まいづくりで悩む方々へ
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