自然素材の家は手間がかかると思われがち

「自然素材の家はメンテナンスが大変そう…

そんな声をよく耳にします。無垢材や漆喰などはデリケートで、すぐ傷んでしまうのでは?と心配される方も多いです。

しかし実際には、自然素材の家は手をかけるほど愛着が増し、長く快適に暮らせる住まいになります。メンテナンスは「負担」ではなく「暮らしに寄り添う習慣」と考えるのが正解です。

無垢材の床のメンテナンス

無垢材の床は確かに傷や汚れがつきやすい一面があります。

しかし、表面を削ったりオイルを塗り直したりできるため、合板フローリングよりも長寿命です。

例えば、椅子を引いた跡や子どものおもちゃでできた小さな傷も、サンドペーパーで軽く削れば簡単に補修できます。経年とともに深みを増す色合いは「古さ」ではなく「味わい」へと変わり、人工素材にはない魅力になります。

参考までに、無垢のフローリングに傷がついた際の簡単お手入れの動画を紹介いたします。

漆喰の壁のメンテナンス

漆喰の壁も、汚れやヒビが気になるという声があります。

ですが、実はビニールクロスより扱いやすい面があるのです。

汚れなら消しゴムや専用スポンジで落とせ、必要であれば部分的に塗り直すことも可能です。クロスのように「一面すべて張り替え」ではなく、必要な箇所だけ直せるため、結果的には経済的。

年月を経ることで独特の風合いをまとい、暮らしに落ち着きを与えてくれます。

自然素材は「経年美化」する

人工素材は新築時の見た目がピークで、劣化が始まると張り替えが必要になります。

一方、自然素材は時間とともに色合いや質感が深まり、むしろ価値を高めていきます。

たとえば、無垢材の床は飴色に変化し、漆喰の壁は柔らかい陰影をまといます。「古くなる」のではなく「美しく育つ」ことこそが自然素材の魅力です。

実際の暮らしに必要なケア

もちろん、自然素材もノーメンテナンスで良いわけではありません。

  • 無垢材の床は、乾拭きや水拭きを習慣にし、数年に一度オイルを塗布
  • 漆喰の壁は、軽い汚れなら日常的に落とし、部分補修で長持ち
  • 木部は乾燥や湿気を避け、風通しを確保

こうしたケアは大掛かりな工事ではなく、暮らしの延長線上でできることばかりです。

メンテナンスコストの視点

人工素材は初期費用が安く済む場合がありますが、10〜15年ごとの大規模な張り替えや交換が前提となります。

自然素材は初期費用がやや高めでも、補修しながら長く使えるため、30年という長期で比較するとむしろコストを抑えられるケースも少なくありません。

まとめ

「自然素材の家はメンテナンスが大変」というのは誤解です。

確かに人工素材よりも手をかける部分はありますが、その分補修や再利用ができ、長く快適に住み続けられます。自然素材は経年美化する素材。

お手入れを重ねるほどに、家は住む人の歴史を映し、唯一無二の存在へと育っていきます。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

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