大工さんに家を建ててもらう

一昔前、家を建てる、マイホームを建てるという場合に、「知り合いの大工に頼む」というセリフをよく聞いたものです。
もしくは「親の家を建てた大工に頼む」などもよく聞くセリフでした。しかし今の時代、ほぼこの言葉聞かなくなったのですがなぜでしょうか。
大工さんに家を頼む場合

以前は、大工さんに家の建築を頼むというのが多かったのは事実です。大工さんに頼み、大工さんが基礎や電気、水道を手配し、最初から最後まで面倒を見てくれたのです。
設計の申請に関しても、建築確認申請は建築士の仕事ですが、それ自体も大工さんが手配をしていました。
なぜ大工さんに頼むのか

なぜ大工さんに頼むのでしょうか。乱暴に書きますが、昔からずっと家の面倒を見てもらっていることが多かったからです。
設計に関しても、お客様の意識は「大工に任せる」ということだったので、間取りも大工さんが考えていました。
現在のように、顧客要望を満たすため何度も間取りを書き直し、納得いくまでプランを練る、ということがなかったわけです。
大工さんが考えた間取りを、建築士が申請し建てていたわけです。
現代では大工さんには任せないのか?
現在でも、大工さんが経営している工務店などがあります。
以前面倒を見てもらっていた大工さんが代替わりをし、会社(法人)にしていて、建築全般を請け負っている場合は「大工さんに頼む」というのは間違いではありません。
なぜ「大工に頼む」は減ったのか
ではなぜ現代では「昔からの大工さんにマイホームを頼む」ということが減ったのでしょうか。
理由はたくさんあるのですが、一番の原因は法整備です。
マイホームを建てる場合、現在では構造計算をはじめ、遵守すべき法律、求められる性能に対する省エネ計算、万が一の場合の法的根拠をあらかじめ顧客に説明する、などなど顧客にとって必要なことが多様化しています。
特に構造の決定に関しては以前のような「大工の経験」「大工の勘」というアナログなことが法的にも、信用信頼度的にも認められない方向に進んできます。
大工の技術にはすごいものがあります。しかし耐震性や省エネ性能を計算で証明したりするのは大工の仕事ではありません。
まとめ

このように、一昔前は経験を積んだ大工さんの技術や知見に信頼を寄せて建築することがありました。
しかし現代では、難しい計算や諸手続きなどが必要となり、大工さんでは手に負えないわけです。
このことからハウスメーカー、住宅メーカー、住宅建設会社、全般を請け負える工務店などが台頭したわけです。
今、住まいの仕事のほとんどは上記のような住宅会社が請負い、大工さんはそこから大工工事の発注を請ける、というシステムにほぼなっています。
もちろん大工さんにマイホームの依頼をすることがダメなわけではありません。
身近に大工さんがいたらぜひ依頼してください。その大工さんがお客様にとって一番いい方法を教えてくれると思います。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。
2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。
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