無添加住宅の漆喰と一般的な漆喰の違いを解説します

 京都市西京区で注文住宅を手がける「あまねこう」の中川です。あまねこうは無添加住宅京都正規代理店に加盟をいたしました。無添加住宅というのは「身体に良くないものは使わない」というコンセプトで、有害な化学物質を含まない建材を提供してくれるメーカです。

 無添加住宅を知っている人ならまず思い浮かべるのが「漆喰(しっくい)」です。この漆喰は太古の昔より世界的に使用されている建材。日本だと、中川は姫路城を思い出します。白鷺城と呼ばれる所以はこの漆喰の白さです。

 ではこの漆喰。世界的に見て同じものなのでしょうか。昨今ではホームセンターでも見かけるようになりました。解説します。

▶︎漆喰の中身とたくさんの効用

 漆喰は、石灰岩から作られます。釜焼きなどの工程を経て「水酸化カルシウム」になり、ぎんなん草(海藻)という自然の糊と水を混ぜ壁に塗ったりします。100%自然素材です。

 効用はやまほどあります。結露の抑制にもなる調湿、匂いを吸収する消臭、カビやウイルスなどに強い抗菌、高い耐火性能、暑い寒いに対する省エネ性能、など数えると霧がないほど。トルエン、キシレンなどのVOCを吸着分解することもわかってきています。

 そんな漆喰はDIYでも重宝され、一般のお客様でも簡単に購入できるようになりました。ところがここに大きな落とし穴、注意点があるのです。

▶︎塗りやすくするために接着剤を混入している

 一般的に販売されている漆喰は、塗りやすくするためアクリル系の接着剤が混合されています。このせいで本来の漆喰の効用が発揮されなくなるのです。漆喰には目に見えない気孔があり、その気孔が接着剤によって塞がれたり、その他にも接着剤による不具合が生じます。本来は火に強い漆喰なのに、黒い煙を吐き出したりする、などです。

▶︎無添加住宅の漆喰は100%自然素材

 無添加住宅の漆喰は接着剤を一切混ぜません。自然の糊を使用します。試しに燃やしてみると、海の幸のような香りがします。ぎんなん草(海藻)が焼ける匂いです。そして国産、高知県産の漆喰を採用しています。

 さらに、漆喰にはひび割れ防止で「すさ」と呼ばれる植物繊維が入っているのですが、このスサを多めに配合しています。ひび割れ防止と塗りつけ時の水持ちを良くし、施工性を高めることで塗り手間を減少する。要するに安価に漆喰を濡れるようにしているのです。

 100%自然素材であれば、他の漆喰でも良いと思います。ただし、施工性を含めたコストを考えると無添加住宅の漆喰はとてもコストパフォーマンスに優れています。

 本記事では材料のことを中心に触れましたが、その意匠性や詳しい効用をまた改めて記事にもさせていただきます。

画像:無添加住宅HPより

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。