基礎工事で必ず確認すべき「構造計算」の重要性とは?

家づくりで見落とされがちなポイントのひとつが、基礎工事の構造計算です。

外観や間取り、設備は目に見えてわかりやすい一方で、基礎部分は完成すると隠れてしまい、後から確認することができません。

しかし、この構造計算の有無が、家の耐久性や安全性を大きく左右します。本記事では、構造計算の役割と、なぜ省略してはいけないのかをわかりやすく解説します。

基礎工事の「基礎の基礎」とは?

基礎工事が建物の安全性に直結する重要な工程であることは、多くの方がご存じだと思います。では、「基礎工事の基礎」と聞かれたら、あなたは何と答えるでしょうか。その答えは 「構造計算」 です。

構造計算とは?法律で義務付けられていないケースも

ここでいう構造計算とは、建築基準法で定められた「許容応力度計算」を指します。木造住宅でも、マンションやビルと同じく、基礎は鉄筋コンクリート構造物です。本来は構造計算をして当たり前ですが、現行法では一定条件下で構造計算書の提出が免除されています。この規定を悪用し、構造計算を行わないケースが少なくありません。さらに、「n値計算」や「壁量計算」を構造計算だと誤解している建築関係者も存在します。

構造計算をした基礎としない基礎の違い

実際の施工写真を見比べると、構造計算の有無で基礎の鉄筋量や組み方が全く異なることがわかります。

構造計算を行った基礎では、基礎立ち上がりの下部が掘り下げられ、地中梁 と呼ばれる補強構造が入っています。これにより、基礎が縦方向に折れるのを防ぎます。

なぜ構造計算が欠かせないのか

構造計算を行わない基礎は、必要な鉄筋量や補強方法が不足している可能性が高く、地震や不同沈下に弱くなります。一方で、構造計算をきちんと行えば、建物重量や地盤条件に応じた最適な設計が可能になり、長期的な耐久性・安全性が確保できます。

注文住宅を建てるときのチェックポイント

  1. 契約前に構造計算の有無を確認する
  2. n値計算や壁量計算だけでは不十分であることを理解する
  3. 構造計算書の内容を説明してもらう

基礎は完成後に見えなくなります。だからこそ、工事前の段階でしっかり確認し、納得できる家づくりを進めることが大切です。

2025年法改正で重要性がさらに増した理由

2025年4月の建築基準法改正により、小規模住宅でも構造計算や構造図書の提出が必要になるケースが増えました。

これにより、以前よりも構造設計の内容が審査されやすくなり、「きちんと構造計算をしているか」が家づくりの安全性を見極める判断材料になっています。

とはいえ、法律で義務化されていない場合でも、構造計算を省略することはおすすめできません。

まとめ

基礎工事は、家の耐久性を支える最も重要な工程です。

京都市で注文住宅を検討されている方は、必ず構造計算を実施した基礎工事を選び、大切な住まいを長く安心して守っていきましょう。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。

2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。

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