
夏の猛暑、冬の寒さ…省エネ住宅を望む方がますます増えてきました。
断熱性能や気密性、最新の換気システムなど、「光熱費を抑えたい!」という想いから、性能にこだわる方が増えているのは事実です。
しかし実際に住んでみると、 「え?思ったより電気代が下がらない…」 という声があるのもまた事実。
その原因、もしかしたら【家電】にあるかもしれません。
家電の消費電力、意外と気にされていない?
住宅性能にこだわる方ほど、「熱交換型の24時間換気は必須です!」とご希望されます。
ですがその換気扇は、365日、24時間休みなく電気を使います。
そして、それ以外の家電──冷蔵庫、照明、エアコン、洗濯機── これらの使い方や機種によって、光熱費は大きく変わるのです。
つまり、「省エネ住宅=光熱費が安い」ではないということ。
自分でできる!家電の電気代の計算方法

基本の計算式は「消費電力 × 単価 ÷ 1000」
たとえば、あるメーカーのドラム式洗濯機の「洗濯時」の消費電力は約68Wh。 関西電力の電気料金を29円/kWhと仮定すると、
68 × 29 ÷ 1000 = 約1.97円
つまり、洗濯1回で約2円です。 とても小さな数字に見えますが、日常的に使う家電は積み重ねで大きくなります。
但し、乾燥機能を使用すると消費電力はあっという間に上がります。
計算は省きますが、有名メーカーのドラム式洗濯機で「洗濯+乾燥』を利用すると1時間あたり約30円くらいです。
乾燥機付き洗濯機、どっちが省エネ?

縦型 vs ドラム式、乾燥機能に要注意
「洗濯乾燥機はドラム型と縦型、どっちが省エネ?」という質問もよくあります。
結論から言うと、乾燥機能を使うならドラム式の方が圧倒的に電気代が安く済みます。
縦型洗濯機は水を張った上から温風を送る仕組みなので、乾燥に多くのエネルギーが必要です。
ただし、ドラム式でも製品によって
「洗濯は高いけど乾燥は安い」
「どちらも安い」
「どちらも高い」
など、差があります。
実はお風呂の乾燥機の方が安い場合も?
洗濯物を室内で乾かすなら、お風呂の乾燥機の方が省エネなケースもあります。
ユニットバスの乾燥機能は、空間全体を温風で乾かすため、電気代が抑えられることも。
「乾燥は洗濯機!」と決めつけず、ライフスタイルに合わせて見直すことも大切です。
暮らしに合わせて家電を選ぶのが、本当の省エネ
家電選びは、暮らし方に直結します。 たとえば──
- 夜洗濯をする家庭は、深夜電力の安い時間帯に使用する(オール電化の家)
- 乾燥を多用する家庭は、電気代の安いドラム式や浴室乾燥を活用する
- 在宅ワークが多いなら、エアコンの省エネ性能が重要になる
「住宅性能」だけに目を奪われてしまうと、 生活の中でじわじわと電気代を垂れ流している…ということも起こり得ます。
京都で省エネ住宅を考えるなら、地元工務店に相談を
京都のように四季がはっきりしている地域では、「住宅性能」と「家電の選び方」の両立がとても重要です。
性能に強いだけでなく、実際の暮らしに寄り添った提案ができる地元工務店に相談することで、より良い省エネ住宅が実現できます。
おわりに|家電の見直しも、住まいづくりの一部
「家電まで考えるのは難しい…」と思われるかもしれません。
ですが、日々の暮らしを支える家電こそ、光熱費にダイレクトに影響する存在です。住まいを建てるとき、選ぶとき。 家電の選び方と使い方を意識してみませんか?
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。
2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。
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