家づくりではなく、住まいづくりにこだわるあまねこう

 西京区でリノベーション・注文住宅を手がける「あまねこう」の中川です。早速ですが、住まいづくり、ということに「あまねこう」はこだわっています。「家づくり」と言ってしまうと、なんかこうハコを作っているような気がして嫌なんです。 

 そして、何年も住まいづくりに携わっていると「合理的=良い」という住宅業界の風潮にも少し疑問を持つようになりました。

▶︎素敵なムダ作りにこだわりたい

 「素敵なムダづくりにこだわりたい」。中川の知るある人が提唱していた言葉です。賛否はありましたが、知恵を振り絞っていい住まいを建てるぞ!という作り手の強い意志を感じるステキな言葉だなぁと中川は思っています。

 ムダという言葉はネガティブワードですし、「ムダなものを作るな!」という声もありましたが、そのような言葉遊びには興味がありません。合理的なことを否定しているのではなくて、良い住まいのためには手間を惜しんではいけない、という風に捉えています。

▶︎ちょっとした一手間の実例を

 この画像はトイレの中。壁の厚みをくり抜いて、トイレットペーパーを置くスペースを作ってみました。ビニルクロスではこのような工事はできません。

 漆喰という塗り壁だからできるのですが、下地に穴を開けるという手間、漆喰を塗るという手間、その他の手間をかけた遊び心です。ちょっとしたことですが嬉しくなりますね。テンションが上がります。

キッチン背面は黒色で仕上げ。白いガスコックが悪目立ちしている。

こちらは古いマンションのリノベーションをした時のもの。ガスコックのカバーです。キッチンの背面を黒い色の壁で仕上げることになりました。コンセントやスイッチは黒い新しいものは売っています。

 ですが古いガスだけのカバーは黒いはありません。せっかくならと「アイアン塗料」と呼ばれる実際に鉄粉が配合された塗料で塗った例です。軽く磨くと、鉄粉が顕になり一見すると鉄のカバーに見えます。

 素敵なムダづくり、というのはこういうことだと思っています。作り手も、住まい手も、この仕上げを見ればニコッとできるいい仕事だと思いませんか。毎日、何気なく目に入る場所に、こんな仕事の跡があれば毎日が心地いいと思います。

 あまねこうの提唱する「心のストレス」の少ない住まい。健康住宅にもつながると信じています。

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。