ホウ酸施工管理技士としての対応です
みなさんこんにちは。
京都市でリフォーム工事を手がける「あまねこう」工事担当の中川です。
私は「ホウ酸施工管理技士」という資格を保有しており、住宅の害虫対策にも対応しています。
今回は、京都市伏見区でキクイムシ被害の対策工事をご依頼いただきました。
キクイムシ自体は建築業界では珍しいものではありませんが、実際に施工まで任せていただくケースは久しぶりでした。
キクイムシとは?小さな穴と木の粉がサインです

いただいた相談内容は「キクイムシかもしれない」とのこと。
キクイムシは木材に産卵し、成虫になって木の中から外へ出る際に小さな穴をあけて飛び出す習性があります。
床・壁の隅に**細かい木の粉(フラス)**が落ちていることがあり、その真上に小さな穴があると、ほぼキクイムシ被害といえます。
見た目は地味ですが、気づいたときには木材の中で進行していることも多く、早めの対処が重要です。
キクイムシによる住宅被害とは
キクイムシは刺したり噛んだりしないため、健康被害はありません。
しかし、家具や建具、床材といった木製部分に無数の穴を開けてしまい、
住宅の美観・耐久性に影響を及ぼします。
そして意外なことに、天然木材や質の良い家具ほど、被害を受けやすい傾向があります。
理由は、接着剤や薬剤を使用しない“良い木”ほど虫が寄りつきやすいためです。
今回の工事はホウ酸による安全な害虫対策

今回の対策は、ホウ酸を使った「ダスティング(粉状散布)」を採用しました。
天井裏や壁内部など、虫が潜みやすい箇所へホウ酸を散布し、内部での繁殖を抑えます。
特に被害が大きかったのは、トイレや洗面室などに使われていたラワン合板。
ここには、高濃度ホウ酸水を塗布して対策を強化しました。
ホウ酸が虫の体内に入ると、消化できず死に至るため、
毒性が強すぎる薬剤を使わずに確実な駆除ができるのが大きな特徴です。
ホウ酸とは?人体に安全な理由

ホウ酸は塩と同じ「無機物」で、空気中に揮発しません。
そのため、室内に散布しても空気を汚染することはありません。
さらに、もし誤って体内に入っても害になる量でなければ、
尿として体外に排出される性質があります。
殺虫剤のように家中に化学薬品を撒く必要がなく、
小さなお子様やペットがいるご家庭でも安心して採用できる害虫対策です。
シロアリ対策と考え方は同じです

補足ですが、シロアリ対策でも薬剤を散布する延長保証工事があります。
しかし、私はおすすめしていません。
理由は明確で、家の中に殺虫剤を撒くことになるからです。
ホウ酸はキクイムシだけでなく、シロアリ対策にも高い効果があります。
住宅の耐久性と健康を両立する工法として、とても優れています。
今回の京都市伏見区の現場でも、ホウ酸がしっかり役立ってくれました。
ホウ酸施工管理技士の中川でした。
ところで、ホウ酸について詳しく知りたい方には過去に書いたブログが役に立つかもしれません。
その他、ホウ酸に関しての記事を用意しています。ぜひご参照ください。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
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