自然素材の家を選ぶ人が増えるなかで、意外と見落とされがちなのが「防蟻処理」や「防腐処理」に使われる薬剤です。

せっかく漆喰や無垢材を選んでも、構造部分に化学薬剤を使ってしまえば、それは「本当の自然素材の家」とは言えません。

ホウ酸処理がなぜ自然素材と相性が良く、さらには無添加住宅に選ばれているのか――その理由を詳しく紹介いたします。

見えない部分にこそ「化学物質」を避けるべき理由

無垢材や漆喰といった自然素材は“呼吸する素材”です。湿度を吸ったり放出したりしながら、室内の空気を整えています。

しかし、構造部分に化学薬剤を使うと、その薬剤が気化して室内空気に微量ながら影響する可能性があります。
特に長期的な暮らしを考えたとき、目に見えない部分に使う素材こそ安全であることが求められます。

自然素材の家づくりでは、見える部分だけでなく、見えない部分まで「化学物質ゼロ」を目指すことが理想です。

ホウ酸は自然由来の鉱物

ホウ酸は自然界の鉱石から採取されるミネラルで、化学的に合成された薬剤ではありません。

人体に対して毒性が極めて低く、実際に食品添加物や医薬品の成分としても使われているほど安全性が高い物質です。特に、揮発性がないため時間が経っても空気を汚すことがありません。

この「自然由来でありながら効果が長く続く」という特性こそが、ホウ酸が自然素材の家や無添加住宅に選ばれる最大の理由です。

「防蟻処理も素材選びの一部」という考え方

自然素材の家づくりでは、床材や壁材だけでなく、構造材や下地までを含めて“素材”と捉えることが大切です。

防蟻処理にホウ酸を使えば、それも家を構成する自然素材のひとつになります。防蟻処理を「施工の一工程」と考えるのではなく、「素材選びの延長」として考える。

この視点を持つことで、家全体が自然素材で統一され、空気環境の質が一段と高まります。

化学薬剤との比較でわかる安心感

項目一般的な薬剤処理ホウ酸処理
成分化学合成物質(有機リン系・ピレスロイド系など)天然鉱物(ホウ酸・ホウ酸塩)
処理方法木材表面への塗布・吹付・含浸処理(種類によって異なる)木材内部まで含浸し、長期間安定
揮発性揮発・分解するため効果が減少揮発せず安定、効果が長期持続
効果期間約3〜5年で再施工が必要半永久的に持続(条件次第)
安全性化学物質による人体・ペットへの影響の可能性人体・動物に対して極めて安全
自然素材との相性処理方法により素材の調湿機能を損なう場合あり調湿機能を妨げず、自然素材と共存可能

この比較からも、ホウ酸が“無添加住宅の考え方”にぴったり合うことがわかります。

まとめ

自然素材で家を建てるなら、構造の内側まで自然素材で仕上げたい――それが本当の意味での「自然素材の家」「無添加住宅」です。

ホウ酸処理は、化学物質に頼らず、自然の鉱物の力で家を守る方法。素材の一つひとつにこだわり、見えない部分にまで安心を届ける。

それが「自然素材の住まいづくり」の本質です。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

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