建築費を安くしたいなら注意したいポイント

リフォームでも注文住宅でも、できるだけ予算を抑えたいのが本音だと思います。
同じ内容なら安い方がいいと誰でも考えるでしょう。
しかし、その考えにも関わらず、わざわざ予算が高くなる方法で工事を依頼する人が多くいます。詳しく解説します。
予算を下げるには段取りが大切
結論から書くと、工事予算を抑える最善の方法は工事の段取りです。
工事の段取りとは、できるだけ短い期間でテキパキと工事を止めることなく進めていく、というイメージです。
他にもポイントはあるのですが、この段取りが一番のポイントです。もう少し細かく解説します。
なぜ段取りが大切なのか
段取りが悪い時に、余計に必要になるのは人件費です。以前実際にあった話で例えます。
部屋の壁に流しを設置する設計。
流し台の壁には水が跳ねても良いようにステンレスを貼る予定でした。そしてそのステンレスの部分に水栓を設置することになっていました。
設計の先生にステンレスの寸法を念の為確認したところ、流し台を設置して雰囲気を見てサイズを決めたいとのこと。
さて、これだけのことで数万円工事費用がアップするのがわかるでしょうか。
工事代金で一番高いのは人件費

実は、流し台や水洗器具は「仕上げ」と呼ばれる工事で水道屋さんが工事の最終段階で設置します。
上記のような場合、流し台を設置した後日にまた改めて水道屋さんが来ることになります。
ちょっとだけと思うでしょうが、来る時間、作業の時間、帰る時間を加味するとしっかりとした仕事なのです。水道屋さんのミスでは無いですから費用の請求は発生します。
最初からステンレス設置後の水栓設置ならそのように見積もりをします。できるだけ安くしたい、との思いから余計な時間や日程が発生しないよう見積もりをしているので追加工事になってしまうのです。
今回のケースでは、他にもステンレスを貼る場所があり、金物屋さんも流し台のところだけステンレスを貼りに来ないといけないわけです。
ですから、数万円の工事費用アップとなります。
ちょっとだけ、は工事予算の大敵です
全体の工程の中で、本当にちょっとだけなら、工務店や住宅会社の善意で追加請求は行わないのが慣例です。
しかし実際には費用は発生しており、「ちょっとだけ」がたくさん集まると追加工事費用として請求せざるを得ません。
このように、たかが段取り、されど段取り。人件費を抑える方法が予算を低くするポイントとなります。
まとめ

いかがでしょうか。お客様からできるだけ安く見積もりをして欲しいというご要望があれば、工事の段取りを重視して見積もりをすることになります。
その段取りから外れると費用が発生してしまうメカニズムがお分かりいただけたと思います。
工事を進めながら、建材の種類や色柄を決めていく、というやり方をする住宅会社や工務店もあります。
今回の記事を参考にしてもらえれば、その方法だと工事費用は安くならないということがご理解いただけると思います。
私たちも、何から何まで追加工事を請求することはありません。
このような条件をお客様にご理解いただくことで、予算を無駄にせず、しっかりとした工事でお客様と共に工事を進めていける、喜んでいただけると考えています。
工事は一方通行ではありません。一緒に、共に良い住まいに仕上げましょう。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。
2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。
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