
無添加住宅は、自然素材の家であることは間違いありません。
ただし、自然素材を「素材として使う」ことよりも、「室内環境をどう作るか」に視線が向いているのが特徴だと思っています。
「自然素材の家」と聞いて想像されがちなこと
自然素材の家というと、最初に浮かぶのは見た目の印象ではないでしょうか。
木のぬくもり、塗り壁の質感、やわらかい色合い。
ナチュラル、かわいい、優しい、ほっとする——そういう空気感です。
これはこれで、とても大事だと思います。
住まいは毎日目に入るものなので、気分が上がる、落ち着く、という価値は確かにあります。
ただ、シックハウス症候群や化学物質過敏症のご相談に向き合っていると、これだけでは足りない場面が出てきます。
無添加住宅が見ているのは「雰囲気」より「室内環境」

極端に言うと、無添加住宅が優先しているのは「かわいい」ではなく「体感」や「体調」です。
もちろん、デザインが不要という意味ではありません。順番の話です。
シックハウス症候群や化学物質過敏症の方は、室内の何かに反応してしまい、日常生活が難しくなることがあります。
その状態で求められるのは、まず「見た目が好き」よりも前に「そこで過ごせるかどうか」ということです。
だから無添加住宅は、自然素材の家というより、「室内の刺激を減らすための考え方(=設計思想)」。
私はそのように捉えています。
同じ自然素材でも「選び方」が変わる
ここがいちばん誤解されやすいところですが、自然素材なら何でもOK、ではありません。
木材でも、種類や加工の仕方で感じ方が変わることが実際にあります。
塗り壁でも、混ざっている材料や下地の扱いで室内環境が変わります。
無添加住宅の発想は、「自然素材を使う」よりも先に、「余計なものを入れない・増やさない」へと向かうわけです。
この「逆算のしかた」が、いわゆるイメージ先行の自然素材の家とは、実は違うところだと思います。
無添加住宅が「科学されている」と感じる理由

無添加住宅の話をするとき、私はよく「イメージではなくて、考え方です(科学的な話です)」と伝えることがあります。
それは、雰囲気や好みではなく、リスクを減らすための筋道があるからです。
化学物質は数が多すぎる。だから“減らす思想”が必要になる
シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因になり得るものは、種類が膨大です。
揮発性有機化合物(匂いのするもの)は数億もある、と言われています。それら全部を把握して、全部を避ける、は現実的ではありません。
ですから「住まい」では、「これが原因です」と当てにいくより、まず「疑わしいものを増やさない」が大切になるのです。
無添加住宅は、この発想をベースに組み立てられていると感じています。
大事なのは、完璧な安全ではなく、負担を減らす確率を上げること。
ここに理屈があるわけです。ですから「無添加住宅は科学されている」と強く思います。
「材料の良し悪し」より“室内に何が残るか”を気にしている
自然素材の家は、どうしても「素材が自然かどうか」で語られがちです。
けれども室内環境を左右するのは、見えている表面だけではありません。
接着剤、塗料、下地材、施工時の処理。
住まいの中には、完成後に見えなくなる要素が山ほどあります。
無添加住宅の考え方は、ここを軽く扱わないわけです。
「何を使うか」だけでなく、「何を持ち込まないか」「何を残さないか」という視点が強いのです。
この「見えない部分を含めて設計する」ところが、とても実務的=科学寄りだと思っています。
体感や確認の段取りがあること自体が「思想の裏付け」

最近、無添加住宅を体感できる部屋へお客様をご案内する機会が数件ありました。
これは、本部のスタッフが説明が上手だとか、本部には資料が揃っているから、でもなく「体が感じること」を確認したいからです。
シックハウス症候群や化学物質過敏症のご相談では、結局最後は体の反応が判断材料になります。
だから「体感する場」を持っていること、段取りとして体感を大切にしていること自体が、思想の裏付けだと感じます。
無添加住宅でも完璧ではない。だから「個別に向き合う」しかない

ここは、きれいごとではなく私の本音です。
無添加住宅は考え方として本当に良い。けれども、無添加住宅だから絶対に大丈夫、とも言い切れません。
良好な方もいれば「んっ?」と微妙な方もいる現実
体感の場に同行していると、反応が分かれることがあります。
良好な方もいれば、「んっ?」と微妙な方もいる。
この差を見たとき、私は毎回「もっともっと向き合わないとダメだ」と思います。
「無添加」という言葉に期待されるほど、現実は単純ではないからです。
いちばん怖いのは「決めつけてしまうこと」
こうした相談で一番やってはいけないのは、原因を早く決めつけてしまうことだと感じています。
決めつけてしまうと、外れたときに次の一手がなくなる。そして何より、お客様の不安が置き去りになります。
だから「この素材が原因です」と断言するより、反応の傾向を拾って、ひとつずつ判断材料を増やす方を選びます。
地味でとても時間もかかりますが、結局それが近道になることが多いです。
京都市の現場では「一般論」より「その人の暮らし」に合わせる

今、お客様が住んでいる家を考えてみましょう。
京都市の住宅は、築年数も間取りも施工履歴もバラバラです。
リフォームでも注文住宅でも、同じ自然素材の家をつくるとしても、条件が違えば最適解も変わります。
だから「一般的な無添加住宅」や「一般的な自然素材の家」ではなく、
その人の暮らし、その人の反応、その家の条件に合わせて組み立てる必要があると強く感じています。
無添加住宅の考え方は、そのための「芯」としてとても頼りになります。
ただし、芯があることと、誰にでも同じ結果が出ることは別。そこを間違えないようにしたい、というのが最近の私の強い想いです。
まとめ

無添加住宅は自然素材の家です。
けれど、いわゆる「ナチュラルでかわいい、優しい雰囲気の自然素材の家」と同じ場所に置くと、少しズレてきます。
無添加住宅は、雰囲気よりも室内環境を優先し、「余計なものを入れない・増やさない」という理屈で組み立てられている。だから私は「科学されている」と感じています。
それでも、シックハウス症候群や化学物質過敏症のご相談に「万能の答え」はありません。
無添加住宅の考え方を軸にしながらも、最後はお一人お一人と向き合って、個別に組み立てていくしかない。
最近の現場でそれを何度も見て、あらためて背筋が伸びる思いをしています。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
住まいづくりで悩む方々へ
「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
「いろいろ勉強してからスタートしたい」
いい家を建てたいなら、
いい住まいづくりをしないと失敗します。



