
室温はそこそこあるのに、足元だけ冷える。スリッパが手放せない。
こうした悩みは冬にとても多いです。
実は“足元の寒さ”は、断熱・気密の性能だけで決まるものではありません。床のつくり、窓まわりの冷え、空気の流れ(循環)などが重なると、体感として寒くなりやすいのです。
床が冷たい家に共通しやすいポイントと、原因の切り分け方を整理します。
- 1. 足元が寒いのは「室温」だけの問題ではない
- 1.1. 足元の寒さは3タイプに分かれる
- 2. 床が冷たい家の共通点(よくある原因)
- 2.1. ①床下/基礎まわりの影響が出ている
- 2.2. ②窓まわりが冷えて、足元に冷気が落ちてくる
- 2.3. ③暖房の当たり方と循環が悪い
- 3. 原因の切り分け:家でできるチェック
- 3.1. どこが寒い?場所で当たりをつける
- 3.2. 床が冷たいのか、空気が冷たいのか
- 3.3. 暖房運転で差が出るか
- 4. 足元の寒さを減らす基本の順番
- 4.1. 1)窓まわり対策(冷えの入口を減らす)
- 4.2. 2)空気を循環させる
- 4.3. 3)家づくり/改修なら床の構成を見直す
- 5. まとめ
足元が寒いのは「室温」だけの問題ではない

人は室温の数字よりも、足裏や下半身の冷えに強く影響されます。
顔まわりが暖かくても、足元が冷たいと「寒い家」と感じやすいのはそのためです。
冷気を感じるのは「体の熱が奪われている状態」になっていることがあります。足元の寒さも、同じ考え方で整理できます。
足元の寒さは3タイプに分かれる
足元が寒い原因は、ざっくり次の3つに分けると理解しやすいです。
1つ目は、床そのものが冷たい(床の表面が冷える)。
2つ目は、冷たい空気が足元に溜まる(上下の温度差が大きい)。
3つ目は、窓際などから冷たい流れが来る(下降気流やすき間風のような流れ)。
まずは「自分の家はどれに近いか」をつかむのが近道です。
床が冷たい家の共通点(よくある原因)
ここからは、足元が寒くなりやすい「共通点」を具体化します。断熱・気密が大事なのは前提として、それだけでは説明できない部分を見ていきます。
①床下/基礎まわりの影響が出ている

床の冷えは、床下が「室内側」か「外気側」かで考えると整理しやすいです。
一般的な床断熱では、床下は基本的に外気と同じ扱いになります(基礎断熱を採用しない限り、床下は屋外です)。
そのため冬は、床下の空気そのものが冷たくなります。床に断熱材を入れていても、床の上面(室内側)は時間の経過とともに熱の移動の影響を受けます。
つまり、暖房で室内の空気を暖めても、床下が外気で冷たい状態だと、床は「冷たさの影響」を受けやすく、結果として足元が冷える体感につながることがあります。
また、床下が屋外である以上、床の冷えは「断熱材があるかどうか」だけではありません。
床断熱か基礎断熱を採用するのかといった床全体の考え方、床仕上げ材の熱の伝わりやすさ(熱伝導率)、そしてスリッパを履く/床に座るなどの生活習慣まで含めて考えるのが現実的です。
②窓まわりが冷えて、足元に冷気が落ちてくる

足元の寒さの犯人が、実は窓だったというケースは多いです。
窓が冷えると、その近くの空気が冷やされ、下へ落ちる流れができやすくなります。
ソファやダイニングを窓際に置いていると「そこだけ寒い」と感じやすいのはこのためです。床が冷たいというより、足元に冷たい空気が集まっている状態です。
③暖房の当たり方と循環が悪い

エアコンは空気を暖める力が強い反面、暖かい空気が上に溜まりやすい特徴があります。
温風が足元まで届かない、部屋の空気が回らない、吹き抜けで上下差が大きい、といった条件が重なると「頭は暖かいのに足が寒い」状態になりやすいです。断熱・気密性能が良くても、循環が作れていないと体感は良くなりません。
原因の切り分け:家でできるチェック
専門機器がなくても、ある程度は切り分けできます。ポイントは「どこで」「どんな寒さか」をはっきりさせることです。
どこが寒い?場所で当たりをつける
窓際だけ寒いのか、部屋全体が寒いのか、廊下や玄関側が寒いのか。場所で原因の候補が変わります。まずは「一番寒いポイント」を考えましょう。
床が冷たいのか、空気が冷たいのか
素足で床に立ったときに冷たいのか、椅子に座ったときに足元だけ冷えるのか、風のような流れを感じるのか。
床が冷たいなら床・床下の影響、流れを感じるなら窓まわりやすき間、上下差なら循環の影響が疑われます。
暖房運転で差が出るか
エアコンの風向きや運転方法を変えたり、空気を回す工夫をしたりしたときに改善するなら、“空気の問題”寄りです。
ほとんど変わらないなら、“床や窓の冷え”寄りかもしれません。完璧に断定はできませんが、方向性が見えます。
足元の寒さを減らす基本の順番

対策は、効果が出やすい順に考えると無駄が減ります。
1)窓まわり対策(冷えの入口を減らす)
足元の冷えが窓由来なら、窓の内側で冷えを和らげる工夫が効きやすいです。カーテンの使い方や、窓の内側で空気層をつくる考え方など、「窓の冷たさ」を減らす方向から始めると整理しやすいです。
2)空気を循環させる
エアコンは「当て方」と「循環」で体感が変わります。
温風をどこに当て、どう回すか。目的は、足元に暖かい空気が届く状態をつくることです。吹き抜けがある家ほど、この視点が大切になります。
3)家づくり/改修なら床の構成を見直す
新築やリフォームの計画があるなら、床の冷えがどこで起きやすいかを前提に、床断熱・基礎断熱など床全体の考え方を整理しておくと安心です。
床の冷えは完成後に見えにくいので、計画時に“どこが弱点になりやすいか”を確認するのがポイントです。
まとめ

- 足元の寒さは室温だけで決まらず、「床の冷え」「冷たい空気の溜まり」「窓からの冷え」が関係します。
- 断熱・気密は大切ですが、床の考え方・窓まわり・空気の循環で体感は大きく変わります。
- まずは場所とタイプを切り分け、対策は「窓→循環→床」の順で考えると整理しやすいです。
まずは家の中で一番寒い場所を考えましょう。「窓際か/空気の流れか/床そのものか」を切り分けてみてください。現在の悩みの原因を探ることで、住まいづくり・家づくりに活かせます。
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この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
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