
年末になって「来年こそは家づくりを…」と考え始める方も多いのではないでしょうか。
一方で、情報を集めれば集めるほど、何から考えればいいのか分からなくなってしまう。
そんな声もよく聞きます。
だからこそ今回は、間取りや性能、設備の話に入る前に、
来年の家づくりで大切にしたい考え方を紹介しておきたいと思います。
来年の家づくりで大切にしたい「基本の考え方」

今の暮らしをそのまま「延長線」で見てみる
家づくりというと、「新しい暮らし」を思い描きがちですが、実際に始まるのは 今の暮らしの延長 です。
朝起きてからの流れ、家事のリズム、家族それぞれの過ごし方。
まずは「今、どう暮らしているか」をそのまま見つめ直してみることが大切です。
理想の暮らしを考える前に、現実の暮らしをきちんと把握できているか。
ここが抜けたまま進むと、家が完成してから「思っていたのと違う」と感じやすくなります。
不満だけでなく「意外と困っていないこと」にも目を向ける
家づくりの相談では、どうしても「不満」から話が始まりがちです。
寒い、狭い、片付かない、動線が悪い…。
もちろん不満を整理することは大切ですが、同時に見ておきたいのが 「意外と困っていないこと」 です。
・多少狭くても、実は落ち着いて過ごせている
・古いけれど、使い勝手は悪くない
・不便だと思っていたけど、工夫で何とかなっている
こうした点は、家づくりの中で「残してもいい価値」になります。
すべてを変えようとしないことが、後悔を減らすコツでもあります。
家に期待しすぎない、という視点も持つ
家を建てれば、暮らしの悩みがすべて解決する。そう思ってしまう気持ちも分かります。
ただ、家はあくまで 暮らしを支える器 であって、人生そのものを変えてくれる魔法の道具ではありません。
家に期待をかけすぎると、
「こんなはずじゃなかった」というズレが生まれやすくなります。
家でできること、家では解決しきれないこと。この線引きをあらかじめ持っておくと、現実的で満足度の高い家づくりにつながります。
来年、家づくりを始める人へ

動き出す前に「一度立ち止まる」ことの価値
年末年始は、時間の流れが少しだけ緩みます。
だからこそ、勢いで動き出す前に、一度立ち止まって考える時間を持つことには大きな価値があります。
「本当に来年動くべきか」
「今、整理しておくべきことは何か」
この問いに向き合うだけでも、家づくりの方向性は大きく変わります。
焦らず進めた人ほど、後悔が少ない理由
これまで多くの家づくり・住まいづくりを見てきて感じるのは、焦らず進めた人ほど、後悔が少ない ということです。
じっくり考えた人は、判断の軸がぶれにくい。迷ったときも「自分たちにとって何が大事か」に立ち戻れます。
一方で、急いで決めた家づくりほど、あとから「もう少し考えればよかった」と感じる傾向があると思います。
家づくりは「準備の質」でほぼ決まる
家づくりの成否は、間取りや性能だけで決まるものではありません。
その前段階で、どれだけ丁寧に準備できたか。
実はここで、ほとんど決まってしまいます。
来年の家づくりを後悔しないために、年内は「決める」よりも「考える」時間を大切にしてみてください。
今の暮らしを見つめ直し、自分たちのペースを取り戻すこと。それが来年の家づくり・住まいづくりを支える一番の土台になります。
この年末にもっと深い家づくり・住まいづくりをお考えの方には以前の投稿が役に立つと思います。
ぜひご参照ください。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
住まいづくりで悩む方々へ
「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
「いろいろ勉強してからスタートしたい」
いい家を建てたいなら、
いい住まいづくりをしないと失敗します。



