
注文住宅を考え始めると、多くの人がまずやるのが「情報収集」です。
SNS、YouTube、住宅系ブログ、比較サイト、住宅展示場……。
調べれば調べるほど知識は増えますが、実はこの情報収集のしすぎが、家づくりを失敗させる原因になることがあります。
なぜ情報収集しすぎると失敗しやすいのか。そして「どう付き合えばよいのか」を整理してみましょう。
なぜ情報収集しすぎると迷子になるのか

情報が多いと、選択肢も増えます。
断熱性能、気密性能、耐震等級、間取りの考え方、設備の比較……。
それぞれが正しいことを言っているため、「どれも大事」に見えてしまうのです。
その結果、
・判断基準が増えすぎる
・決断できなくなる
・人の意見に振り回される
という状態に陥りやすくなります。知識が増えたはずなのに、かえって不安が増えるのが典型的なパターンです。
SNSやYouTubeは「参考」であって「正解」ではない
SNSや動画で紹介されている家は、とても魅力的に見えます。
ただし、それは
「その人の家族構成」
「その人の暮らし方」
「その人の価値観」
に合っているだけかもしれません。
他人の成功例をそのまま自分の家に当てはめると、
「思っていた暮らしと違う」
という違和感が生まれやすくなります。
情報が多すぎると「自分たちの軸」が見えなくなる
本来、家づくりで一番大切なのは「自分たちはどんな暮らしがしたいのか」という軸です。
しかし情報を集めすぎると、
・性能を優先すべき
・広さを確保すべき
・コスパが大事
・デザインも妥協できない
と、他人の価値観がどんどん入り込み、自分たちの軸がぼやけてしまいます。
情報収集で失敗しやすい人の共通点

家づくりがうまく進まなくなる人には、共通点があります。
・正解を探し続けてしまう
・「これで本当に大丈夫?」が止まらない
・判断を工務店や設計者に委ねきれない
この状態になると、決断が遅れ、打ち合わせも疲弊しやすくなります。
情報収集は「量」より「順番」が大事

情報収集が悪いわけではありません。
大切なのは順番です。
最初にやるべきなのは、
・家族で暮らし方を話す
・譲れないことを3つほど決める
・「これができれば満足」という基準を持つ
この土台ができていれば、情報は「選別」できるようになります。
工務店や設計者は「情報の整理役」
良い工務店や設計者は、集めた情報をそのまま肯定するのではなく、
「それは本当に必要ですか?」
「暮らしに合っていますか?」
と整理してくれます。
情報を増やす役ではなく、減らす役・整える役がいることで、家づくりは一気に楽になります。
まとめ|情報は集めすぎず「使える形」にする

注文住宅での失敗は、知識不足よりも情報に振り回されることから生まれます。
情報は、集めるためのものではなく、判断するための材料。
自分たちの暮らしの軸を先に決め、必要な情報だけを取り入れる。それが、後悔しない家づくりへの近道だと思います。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
住まいづくりで悩む方々へ
「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
「いろいろ勉強してからスタートしたい」
いい家を建てたいなら、
いい住まいづくりをしないと失敗します。



