
住まいの設備が古くなると、自分で交換してみようかと考える方も多いかもしれません。
最近はDIY動画も増えており、見た目だけを見ると「自分でもできそう」と思わせる場面があります。しかし、設備の中には専門知識や資格が必要なものがあり、安易に手を出すと危険を伴います。
特に換気扇、火災警報器、浴室乾燥機は内部構造が複雑で、施工不良や事故につながることがあります。今回はこれらの設備をなぜDIYで交換してはいけないのか、安全面から解説します。
専門業者でなければ交換してはいけない理由

DIYでトラブルが起こりやすいのは、見えない構造部分に手を加える作業が多いためです。
電気工事士の資格が必要な作業が含まれる
照明や換気扇、浴室乾燥機などは、内部の配線が電気工事に該当します。
無資格で配線を触ると法律違反となりますし、感電や漏電の危険性も高まります。また、誤った接続は火災の原因になることもあります。
内部構造が複雑でリスクが見えにくい
天井裏や壁内のダクト、配線、金具などは、外側からでは状態が分かりません。取り外しの際にダクトや配線をを傷つけたり、ダクトを間違って外してしまうと、あとから大掛かりな修繕が必要になることがあります。
メーカー保証や建物の保証が無効になる
自己判断で交換すると、メーカー保証が受けられなくなる場合があります。
家全体の保証対象外になるケースもあり、結果的に余計な費用がかかってしまうことがあります。
専門業者が必要な代表的設備とその落とし穴

換気扇(壁付け・天井埋込)
換気扇は、見た目は単純でも、内部では電源直結やダクト接続など専門的な作業が必要です。特に天井埋込型は天井裏での作業が伴い、無理な取り外しはダクト破損や結露の原因になることがあります。
また、気密性の高い住まいでは取り付け方一つで換気性能が大きく変わります。
火災警報器(特にマンション)
火災警報器は非常に注意が必要です。
マンションでは住戸内の警報器であっても、建物全体の消防設備と連動していることが多く、勝手に触ることはできません。
誤って取り外すと建物全体の警報が鳴ったり、消防署へ自動通報される可能性があります。
また、電源直結型の警報器は電気工事士資格が必要で、DIYは法律上も安全面でも厳禁です。マンションの場合は、管理会社や指定された消防設備点検業者に依頼することが原則になります。
浴室乾燥機
浴室乾燥機は重量があるうえ、電源配線・アース・ダクト接続など複数の工事が必要です。
取り付け不良があると落下の危険もあります。天井や壁の内部に湿気が侵入すると、カビや腐食につながり、住まい全体の耐久性を下げることにもなりかねません。
DIYで陥りやすい誤解

設備交換で多いのが「同じサイズだから付け替えられる」という誤解です。
外寸が同じでも、電気仕様や取り付け金具が全く違うことは珍しくありません。また、インターネットの説明や動画はプロが作業しているため、簡単に見えても実際には専門知識が必要な工程が隠れていることが多いものです。
まとめ
換気扇、火災警報器、浴室乾燥機は、見た目以上に専門的な作業が必要な設備です。
特にマンションの火災警報器は建物の消防設備と連動しているため、DIYで触ることは重大なトラブルにつながります。
安全に住まいを維持するためには、無理に自分で行わず、必ず専門業者へ相談することが重要です。設備交換は「できそう」ではなく、「安全にできるか」で判断しましょう。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
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そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
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