
家づくりやリノベーションを始めるとき、多くの人が直面する悩みが「予算オーバー」。
「気づいたら金額が膨らんでいた…」という声は、京都市でも非常に多く聞かれます。
特に京都市は土地の価格や建築条件が独特なため、初心者ほど注意が必要です。
今回の記事では、予算オーバーの原因と、失敗しないための費用管理術を初心者向けにまとめました。
- 1. なぜ予算オーバーは起きるのか|初心者が陥りやすい3つの理由
- 1.1. 理想を並べすぎて“優先順位”が曖昧になる
- 1.2. 初期見積もりが“最低ライン”で出される仕組みを知らない
- 1.3. 京都市の土地事情・地域特性による追加費用を見落とす
- 2. よくある予算オーバーの原因5つ
- 2.1. ① 土地の価格が高く、建物に回す予算が減ってしまう
- 2.2. ② 間取り変更やオプション追加が増える
- 2.3. ③ 水まわりの移動・増設によるコストアップ
- 2.4. ④ 想定外の地盤改良・外構費用が発生する
- 2.5. ⑤ 仕様の「ちょっとしたグレードアップ」の積み重ね
- 3. 京都市で起きやすい“地域特有の予算オーバー”
- 3.1. 景観条例による外壁・屋根材の指定
- 3.2. 道路幅・接道条件による建築費アップ
- 3.3. 狭小地・旗竿地で増える工事手間
- 3.4. 古い家のリノベでの“解体後にわかる追加費”
- 4. 予算オーバーを防ぐための費用管理3つの視点
- 4.1. ① 初期段階で“総額の上限”を決める
- 4.2. ② 優先順位を“3段階”に分ける
- 4.3. ③ 打ち合わせごとに“現時点の合計金額”を確認する
- 5. 注文住宅・リノベーションで賢く予算を使うコツ
- 5.1. 減額調整は“設備”より“間取りの工夫”で行う
- 5.2. 見積書の内訳は“曖昧な項目”がないか必ずチェック
- 6. まとめ|予算管理は「最初の判断」で9割決まる
なぜ予算オーバーは起きるのか|初心者が陥りやすい3つの理由

理想を並べすぎて“優先順位”が曖昧になる
SNSや住宅雑誌を見ていると「これもしたい、あれも取り入れたい」と夢は広がります。
ただ、すべてを実現するのは難しく、結果的に少しずつ金額が積み重なってしまいます。
初期見積もりが“最低ライン”で出される仕組みを知らない
多くの会社では初期見積もりは「最低限の仕様」で出されることが多く、
打ち合わせが進むにつれ追加費用が発生しやすいのが理由です。
京都市の土地事情・地域特性による追加費用を見落とす
景観条例・道路の狭さ・地盤のムラなど、京都市独自の事情により
「土地代+想定外の費用」がかかりやすい地域です。
よくある予算オーバーの原因5つ
① 土地の価格が高く、建物に回す予算が減ってしまう
京都市では土地価格が高いため、建物に割ける予算が圧迫されやすいのが現実。
“土地に予算を使いすぎる”のは最も多い失敗です。
② 間取り変更やオプション追加が増える
LDKを広くしたい、収納を増やしたい、窓の形を変えたい…。
こうした「小さな変更」が積み重なると、最終的な金額は大きく膨らみます。
③ 水まわりの移動・増設によるコストアップ
特にリノベーションで起きやすい後悔。
キッチンを移動したい、お風呂の位置を変えたいなどは大幅なコスト増につながります。
④ 想定外の地盤改良・外構費用が発生する
京都市は地盤の硬さにムラがあり、場所によっては地盤補強が必要。
また外構も「敷地形状」「道路幅」に左右されやすく追加費用が出やすい部分です。
⑤ 仕様の「ちょっとしたグレードアップ」の積み重ね
床材、クロス、キッチン、収納、照明…。
1つ1つは数万円でも、積み重なると大きな予算オーバーに。
京都市で起きやすい“地域特有の予算オーバー”

景観条例による外壁・屋根材の指定
京都市は外観に関するルールが多く、想定していた素材が選べないことがあります。
例えば、和瓦しか使えない地域が存在します。一般的なコストパフォーマンスの高い屋根材が使えず、かなりの予算増ということも。
道路幅・接道条件による建築費アップ
車が入れない細い道路の場合、搬入費や作業手間が増えます。
狭小地・旗竿地で増える工事手間
重機が入らず、手作業が多くなることで作業コストが跳ね上がるケースも。
古い家のリノベでの“解体後にわかる追加費”
京都市の築古住宅は内部の状態に差があり、壊してみて初めて分かる追加工事が多いのが特徴です。
予算オーバーを防ぐための費用管理3つの視点

① 初期段階で“総額の上限”を決める
土地・建物・外構・諸費用をひとまとめで把握し、
「ここからは絶対に超えない」上限をあらかじめ決めておくことが重要です。
② 優先順位を“3段階”に分ける
- 絶対に必要
- できれば欲しい
- 余裕があれば
この3つに分けるだけで、判断が格段に楽になります。
③ 打ち合わせごとに“現時点の合計金額”を確認する
予算(見積もり)提示後の打ち合わせで、変更内容に対して金額がどれだけ動いたかを逐一確認する習慣が、後悔を防ぎます。
注文住宅・リノベーションで賢く予算を使うコツ
減額調整は“設備”より“間取りの工夫”で行う
設備を下げるより、間取りを工夫するほうが暮らしの満足度は下がりにくいです。
見積書の内訳は“曖昧な項目”がないか必ずチェック
特に細かく提示できる工事内容で「◯◯一式」「その他工事」などは要注意。
まとめ|予算管理は「最初の判断」で9割決まる
予算オーバーは、建物そのものより
「計画の進め方」や「判断の順序」 が原因で起きることがほとんどです。
京都市の家づくりは独自の制約が多いからこそ、
“地域特性を理解して進める”ことが後悔を防ぐカギになります。
焦らず、優先順位を整理しながら家づくり、住まいづくりを楽しんでもらいたいと願ってやみません。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
住まいづくりで悩む方々へ
「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
「いろいろ勉強してからスタートしたい」
いい家を建てたいなら、
いい住まいづくりをしないと失敗します。



