
「今月中に契約いただければキャンペーン価格が適用されます」
そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
住宅業界ではいまもなお、“契約を急ぐ”営業スタイルが根強く残っています。確かに会社としては売上や月次の目標もあります。
しかし、家づくりの本質は契約ではなく、信頼関係の構築です。本当の信頼は、打ち合わせが始まる前の段階から育まれていくものです。
今回は、「契約を急かす住宅会社」が見落としている大切な視点を考えていきます。
契約を急ぐ会社が多い理由

営業ノルマ、上司からの数字のプレッシャー、決算期の追い込み。
こうした会社側の事情が優先されると、どうしても“スピード重視”の営業になりがちです。一度の提案で決めさせる、即決を促す、限定特典を出す、などなど。
こうした手法は短期的には成果につながっても、施主にとっては「信頼できる関係」にはなりません。
家づくりは、モノを売る行為ではなく、暮らしを共につくるプロセス。
スピードよりも、施主と施工者が互いを理解する時間こそが、後悔のない家づくりの第一歩なのです。
本当の信頼は「打ち合わせ前」に始まる
契約前のやりとりこそ、住宅会社の姿勢がもっとも表れます。
たとえば、
- 質問に対して正直に答えるか
- 他社と比較されても誠実に対応するか
- 「すぐ契約」ではなく「考える時間」を尊重してくれるか
こうした行動の積み重ねが、契約後の信頼を生みます。
「話しやすい」「何でも聞ける」と感じてもらえる関係づくりが、すでに家づくりの第一歩なのです。
信頼構築型の家づくりがもたらす3つの効果
- 要望の言語化が進む
施主自身が何を求めているかを整理でき、設計段階のミスが減る。 - 決断ストレスが減る
「押されて決めた」ではなく「納得して決めた」と感じられるため、満足度が高い。 - 品質と精度が上がる
相互理解が深まるほど、施工のブレが少なく、現場での修正も減る。
丁寧に時間をかけることは、非効率に見えても最も合理的な信頼の積み重ねです。
「信頼のはじまり」をどうつくるか

住宅会社側ができることは、契約の前段階で“顧客の不安”に耳を傾けることです。
比較検討の段階であっても、他社を貶めず、正確な情報を伝える。
「いま決めなくても大丈夫ですよ」という一言が、安心感につながることもあります。
打ち合わせを重ねる前に「この人となら本音で話せる」と思ってもらえる――
それが、あまねこうが大切にしている家づくりの原点です。
まとめ
家づくりにおける“信頼”は、契約書でも図面でも表せません。
打ち合わせを始める前の段階で、どれだけ相手を理解し、どれだけ安心してもらえるか。
その時間を惜しまない会社こそ、最後まで伴走できる本当のパートナーです。
筆者として、私自身も「急がず、焦らず、信頼を積み重ねる」という姿勢を常に忘れないようにしたいと思います。
信頼は言葉でつくるものではなく、行動と時間で築くもの。
その基本を胸に、これからも一組一組の家づくりに真摯に向き合ってまいります。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
住まいづくりで悩む方々へ
「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
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