
家づくりの現場は、図面では見えない「リアル」が詰まった場所です。
完成した後には隠れてしまう部分こそ、住まいの性能や耐久性を左右する大切な要素。「現場は見なくても大丈夫」と思っていても、ほんの少しの見学で安心感は大きく変わります。
今回は、施主が工事中に見ておくと安心できる3つのチェックポイントを紹介します。
1. 断熱・気密の施工精度をチェック



家の快適性と光熱費を左右するのが、断熱と気密。
高性能な断熱材を使っていても、施工が甘ければ性能は発揮されません。
柱まわりやコンセント部分のすき間、気密テープの処理など、細かな仕上げこそがポイントです。
京都のように夏は蒸し暑く、冬は底冷えする地域では、わずかなすき間が冷気や湿気の出入り口になります。
現場で「断熱材がきれいに詰まっているか」「気密シートが破れていないか」を確認するだけでも、仕上がりの安心感は違います。
写真付きで進捗を報告してくれる工務店なら、より信頼できます。
2. 配線・配管の位置と経路を確認
完成後に壁の中へ隠れてしまう配線・配管も重要なチェックポイントです。
スイッチやコンセント、照明位置は、実際に立ってみると「もう少し右がよかった」などと感じることがあります。
現場で高さや位置を最終確認することで、生活動線に合った配置に調整できる場合もあります。
また、配管や換気ダクトの経路も、将来のメンテナンス性に影響します。
「見えない部分ほど丁寧に」をモットーにしている工務店なら、施工の整然さが見た目にも伝わるはずです。
3. 構造体の納まりと金物の取り付け

骨組み(構造体)は、完成後にはもう二度と見えません。
梁の接合部や筋交い金物、耐震金物の取り付け状態を確認するのはこの時期だけです。
ボルトが緩んでいないか、金物がしっかり固定されているか、チェックしておくと安心です。
特に京都のような地震リスクのある地域では、構造体の精度が家の寿命に直結します。
現場の大工や監督に「この部分はどうなっていますか?」と質問することで、施工の丁寧さが分かります。
現場を“見に行く”という安心

現場に行く目的は「監視」ではなく「共有」です。
現場を訪ねることで、職人との会話が生まれ、家づくりの熱量や丁寧さを肌で感じることができます。
そして何より、現場をよく見せる工務店ほど、施工にも自信を持っているものです。
忙しくて現場に行けない場合でも、進捗写真を共有してもらうことで同じ安心を得られます。
図面の説明よりも、実際の“現場の空気”こそが、家づくりの信頼関係を強くしてくれます。
まとめ
工事中のチェックは、専門知識がなくてもできる「信頼の確認作業」です。
断熱・配線・構造体――どれも完成してからでは見えない部分。
だからこそ、家づくりの途中で現場を見ておくことが、後悔しない家づくりへの第一歩になります。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。
2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員
「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。
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