家づくり、住まいづくりを考えるとき、最初に気になるのは「いくらで建てられるのか?」という費用のこと。

しかし多くの方が経験するのが「見積もりと最終金額の差」です。予算オーバーの大きな原因でもあるこの仕組みについて、分かりやすく解説します。

なぜ見積もりと最終金額に差が出るのか

見積もりはあくまで「一部の費用」しか含まれていないケースが多く、工事を進める中で必ず追加される費用があります。

特に「坪単価」や「本体価格」という表現には注意が必要です。

これらは基本的に建物本体の工事だけを指しているため、付帯工事や諸費用が含まれていないことがほとんどです。

見積もりに含まれていない代表的な費用

付帯工事費

付帯工事という言葉には注意が必要です。

建設業法上の「付帯工事」は限定的な意味を持ちますが、マイホームの現場では一般的に「建物本体以外に必要となる工事」という広い意味で使われています。

具体的には、地盤改良、解体工事、外構工事、仮設工事などが該当します。こうした費用は「別途見積もり」となることが多く、見積書に含まれていないために最終金額が膨らむ原因となります。

諸費用

登記費用、ローン手数料、火災保険料など、工務店の見積もりには含まれないが必ず必要となる費用です。

金融機関や行政に支払う性質のものが多く、意外と大きな金額になるため注意が必要です。

設備や仕様のグレードアップ

契約時は最低仕様で見積もりが作られていることが多く、打ち合わせを進める中で「やっぱりグレードを上げたい」となり費用が膨らむケースがあります。

工事中に発生しやすい追加費用

解体後に分かる劣化

リフォームや建て替えでは、解体して初めてシロアリや腐朽、配管の老朽化などが見つかり、補修工事が必要になるケースがあります。

施主からの変更依頼

コンセントの追加、収納の追加、間取りの微調整など、小さな変更を重ねることで最終的な金額が大きく変わることもあります。

「坪単価」の落とし穴

「坪単価」は「本体工事費 ÷ 延床面積」で算出されるのが一般的です。しかし外構や付帯工事、諸費用は含まれていません。

坪単価だけで住宅会社を比較しても正しい判断はできず、実際には「実質坪単価」が大幅に高くなることが多いのです。

後悔しないためのチェックポイント

  • 見積もりに含まれている範囲(本体・付帯・諸費用)を必ず確認する
  • 総額ベースで資金計画を立てる
  • 追加費用が発生しやすい項目を工務店に事前確認する
  • 想定外に備えて予算の10~15%を余裕資金として確保する

まとめ

「見積もり」と「最終金額」が違うのは、見積もりに含まれていない費用や工事中の追加があるためです。

付帯工事や諸費用の意味を正しく理解しないまま契約してしまうと、思わぬ負担につながります。

坪単価や本体価格だけを鵜呑みにせず、総額ベースで資金計画を立て、信頼できる工務店へ事前に相談することが予算オーバーを防ぐカギです。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼少期から建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、28年以上にわたり幅広い建築会社で経験を積む。
営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまでを担い、建築の全体像を深く理解するに至った。

2023年に独立し、現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。

【保有資格等】
・建築物石綿(アスベスト)含有建材調査者
・愛犬家住宅コーディネーター
・ホウ酸施工管理技士
・空気測定士
・向日市固定資産税評価委員会委員

「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを大切に、自然素材を活かした住まいづくりを提案している。

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