
今回は、多くの人がやってしまいがちな「入浴中の換気扇使用」が、実は逆効果になるかもしれないというお話です。
「お風呂に入っている間、湿気を逃がすために換気扇を回している」という方も多いでしょう。
しかし、これがカビの原因になるとしたら、驚きですよね。この記事では、科学的な根拠を交えながら、正しい換気方法を解説します。
その換気、逆効果かも?入浴中の換気扇が招く意外な落とし穴

湿気たっぷりの空気を室内に引き込む!?
入浴中は、浴室内の温度と湿度が非常に高くなっています。その状態で換気扇を回すと、浴室の空気が排出されると同時に、ドアの隙間や換気口などから外の冷たい空気が入り込んできます。
この外気との温度差によって、浴室内に結露が発生しやすくなり、壁や天井に湿気がとどまりやすくなるのです。つまり、換気しているつもりが、かえって湿気をこもらせてしまう原因になります。
換気扇の内部に湿気と皮脂成分が吸い込まれる
入浴中に換気扇を回すと、湯気とともに皮脂や石けんカス、シャンプーの成分などが換気扇内部に吸い込まれます。
これらの汚れは換気扇内部に付着し、湿気と結びついてカビの温床になります。さらに問題なのは、その換気扇が稼働している限り、内部のカビを浴室内に撒き散らしてしまうということ。つまり、換気のつもりがカビの拡散装置になってしまうのです。
正しい換気タイミングは「入浴後」!

湯気がこもっている間にすぐ換気
カビを防ぐためには、入浴中ではなく入浴後の換気が最も効果的です。浴室に湯気がこもっている間に換気扇を回すことで、湿気を効率的に外に排出できます。
このとき、浴室のドアを少し開けておくことで、空気の流れが生まれ、よりスムーズに換気されます。30分~1時間を目安に換気扇を運転させるとよいでしょう。
サーキュレーターや小窓も活用しよう
ユニットバスに小窓がある場合は、換気扇と併用して開けておくことでより効果的です。また、サーキュレーターなどで空気を循環させると、乾燥のスピードが上がり、カビのリスクを減らせます。
毎日の習慣でカビ知らずのバスルームに
入浴中は換気扇をオフ、入浴後にオン
- 入浴中は換気扇を切っておく
- 入浴後すぐに換気扇をオン
- ドアは少し開けて空気の流れをつくる
- 30分以上の換気を習慣に(メーカーによっては3〜6時間推奨も)
フィルター掃除も定期的に
換気扇内部の汚れを放置すると、せっかくの換気が逆効果になります。最低でも月に1回はフィルターを掃除し、清潔を保つようにしましょう。
まとめ:知っているだけで防げるカビのリスク

「入浴中に換気扇を回すのが当たり前」と思っていた方も多いかもしれません。しかし、ちょっとした知識と習慣で、カビのリスクを大きく減らすことができます。
ぜひ今日から、入浴後の正しい換気を意識して、快適で清潔なバスルームを保ってください。
※下記、参考までに
- 東京都健康安全研究センターによるカビ対策資料では、「換気扇内部の清掃を怠ると、カビ胞子の拡散源になる」とされています
- 日本建築学会の文献でも「換気は入浴後、浴室の空気が十分に湿っている時に行うことが効果的」と記載あり
- ダイキン、三菱電機、パナソニック等の住宅設備メーカーも「入浴後の換気を推奨」しており、入浴中はオフを勧めている事例も
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この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。
2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。
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