マイホームの地震対策|耐震性能にばかり目を向けていませんか

「地震に強い家がいいっ!」

マイホームを考える人なら絶対に譲れないところだと思います。しかし、地震に強い家が欲しいと考える一方で、同じくらい大切なポイントを失念している人が多いのも事実です。

それは一体なんでしょうか。

地震と耐震性能

マイホームの建設において、地震対策といえば耐震性能でしょう。耐震性能について今回は詳しくは述べません。「耐震等級」という地震が発生した際の地震力に対しての耐力を示す基準がとても分かりやすいと思います。

※耐震性能について詳しく知りたい人には以前のブログが参考になると思います

耐震等級1でも、地震に強い工法なら安心なの?|京都の「あまねこう」が解説します

地震に強い工法を選べば耐震等級は関係ないの? 「〇〇工法なら安心だね」「木造より軽量鉄骨の方が地震に強いよね」 新築戸建てや注文住宅において聞くこのような言葉を…

しかし、どれほど耐震性能を上げようとも、「あること」への意識が低いせいでその耐震性能が台無しになってしまうポイントがあるのです。

耐震性能とシロアリ対策

そのポイントとはシロアリ対策です。構造躯体のどこか一ヶ所でもシロアリ被害に遭うと、もはや耐震性能は無くなったと言っても過言ではありません。

「シロアリ対策はやっているよ」
「防蟻処理は当然でしょ」

という声が聞こえてきそうですがちょっと待ってください。その防蟻処理、問題はないでしょうか。

5年しかもたない耐震性能

シロアリ対策、防蟻処理について「5年の効果」と説明を聞いている人が多いと思います。

「強すぎる薬剤は使用できないので、まずは5年」という意味の説明を聞いていませんか。この薬剤、防蟻剤は有機化合物。

有機化合物・有機溶剤ですから薬効というのか、その薬の効果は約5年です。要するに5年ごとに防蟻剤の処理をしなければなりません。

言い換えると、5年経って改めて防蟻処理をしない場合は、その耐震性能は5年がマックスの可能性があるわけです。

5年経ち、改めて再度処理をしなかった場合、シロアリ被害に遭うと耐震性能が限りなくゼロになるわけです。

防蟻剤の再処理の問題

ここで問題があります。防蟻剤の再処理をするお客様はどれほどの割合でしょうか。

何より、再処理はしたい!という意思はあっても再処理ができない人も一定数存在します。

それは健康問題です。

防蟻剤は殺虫剤|農薬です

防蟻剤は殺虫剤、農薬なのです。再処理をするとなると農薬を散霧するわけです。健康被害を気にして再処理ができない、という方もいらっしゃるのです。

何より、殺虫剤を防蟻剤、シロアリ対策に採用しているのは世界中広しといえど日本国くらい。

日本の住宅の耐震性能は殺虫剤に握られていると言っても過言ではありません。

無機物で防蟻処理|5年以上の防蟻効果

では他に対策はないでしょうか。

実は、「ホウ酸」を利用する防蟻処理があるのです。ホウ酸というと「クスリ」と勘違いする人がとても多いのですが、ホウ酸はクスリではありません。

ホウ酸は「塩」と同様で無機物です。塩が腐らないことは皆さんご存知でしょう。何より保存食にする場合、「塩」は不可欠です。

この塩と同様に無機物であるホウ酸は腐りません。理論上は永遠にその効果も期待できます。5年ごと、という縛りもなくなるのです。

余談ですが殺菌や防虫に塩を使うことも知っている人も多いでしょう。虫は塩などの無機物を体内で処理ができません。
(我々人間、哺乳類は過剰な塩分、無機物を摂取すると、尿と一緒に排出します)

この虫の体内システムを利用したのが、ホウ酸による防蟻処理なのです。

そして建物に塩を使わないのは鉄が錆びるから。ホウ酸は鉄を錆びさせることがないので、防蟻剤としてはとても優れています。

まとめ|耐震性能と防蟻処理

いかがでしょうか。
ホウ酸・無機物を防蟻処理に採用することで「5年」という縛りがなくなります。

シロアリ対策を5年ごとに行うということは、耐震性能が5年しかもたないことの裏返しです。ホウ酸を採用すれば耐震性能の担保がしやすくなるわけです。

健康被害の心配も皆無です。通常の防蟻剤を使用するとシックハウス症候群の誘発などの危険性もありますが安心です。

何より、耐震性能と防蟻処理はセットであるということを知っておいて欲しいと思います。耐震住宅を建てたい人は、必ず防蟻処理、シロアリ対策も確認してください。

余談ですが、玄関ポーチのシロアリ対策を行わない工務店や住宅会社も多く存在します。以前のブログが参考になると思います。

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京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。

2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。

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