地震に強い工法を選べば耐震等級は関係ないの?

「〇〇工法なら安心だね」
「木造より軽量鉄骨の方が地震に強いよね」

新築戸建てや注文住宅において聞くこのような言葉をよく聞きます。ところで、本当に地震に強い工法なら安心なのでしょうか。

例えば、「耐震等級1」の家でも木造より軽量鉄骨の「耐震等級1」の方が地震に強いのでしょうか。

耐震等級ってなに

マイホームと地震について考える時、「耐震等級」という言葉が必ず出てきます。

この耐震等級とは、建築基準法で定められている構造耐力に対して掛け算で算出する耐震性能のことです。

建築基準法での耐力が「耐震等級1」。

1.25倍の耐力が「耐震等級2」

1.5倍の耐力が「耐震等級3」

以上のように表記されます。

耐震等級は基準です

耐震等級を簡単に説明するとすれば「基準」だと考えてもらうと分かりやすいと思います。

耐震性能を備えたマイホームを建てる際に、わかりやすい基準になるわけです。等級1か等級2か、はたまた等級3か、と比較がしやすいわけです。

木造は弱く、軽量鉄骨やRCは強い

さて、今回のテーマである耐震等級と構造、工法の関係です。

「地震に強そうな工法なら耐震等級1でも地震には強いんでしょ?」

このような考え方への答えは「NO!」です。

耐震等級は前述のように「基準」なのです。工法や構造、複雑な計算など一般のお客様にはなかなか理解ができません。

「耐震等級」という基準のおかげで工法や構造に関係なく望む耐震性能が手に入るようになったわけです。

分かりやすく書けば、木造でも軽量鉄骨でも、2×4でもRCでも、「耐震等級1」であれば、耐震性能は同じである、ということです。

(法律が定める構造計算など、構造の検討の深さについてはここでは述べません。)

いずれにしても、工法や構造で地震について不安や悩むことが、「耐震等級」という基準で判断ができるようになったことは画期的なことだと思います。

まとめ|耐震性能と耐震等級

いかがでしょうか。
地震に対する不安で、工法や構造を悩んでいる人にとってはとても分かりやすいと思います。

実際に、約30年前の住宅建設の業界では「◯◯工法だから地震に強いんですよ」というような営業が本当にされてました。

今の時代にそのような営業をする会社や営業マンはいないと思います。お客様には様々な情報に惑わされないよう知っておいて欲しいポイントです。

耐震や耐震の考え方などに興味のある方には、以前のブログが参考になるかもしれません。ぜひご参照ください。

「耐震」って建築基準法にないの?|京都の工務店あまねこうが解説します

「耐震」という言葉は建築基準法にはない 「地震に強い家がいい!」 マイホーム取得を考える人にとっては当たり前のようなこの言葉。 「耐震」という言葉も一般的になった…

耐震と制振、免震の違いってなに?京都のあまねこうがわかりやすく解説します

耐震ってよく聞くけどどういう意味なの 「地震に強い家がいいっ!!」 マイホームを計画する際にはみなさんが絶対考えることですね。 しかし、この「地震に強い家」とは一…

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。

2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。

住まいづくりで悩む方々へ

「他社で質問しても今ひとつハッキリしない」
「いろいろ勉強してからスタートしたい」

いい家を建てたいなら、
いい住まいづくりをしないと失敗します。