耐震ってよく聞くけどどういう意味なの

「地震に強い家がいいっ!!」

マイホームを計画する際にはみなさんが絶対考えることですね。

しかし、この「地震に強い家」とは一体なんでしょうか。

例えば「耐震ってなに」と聞かれた時に、正確に答えられない人はたくさんいます。中には建築、不動産のプロの方でも明確に答えられない人は多いのです。

こんなに頻繁に「耐震」という言葉を使うのに、です。

そんなわけで今回は、「耐震」「制振」「免震」に関してわかりやすく解説します。

耐震ってどういう意味

まず一番頻繁に使う「耐震」とはどういう意味でしょうか。

結論から書くと、
「大地震が発生した際に家が倒壊せず生命を守る」という意味です。

誤解を恐れず書きますが、「一度」と付け加えます。来る大地震に備えた耐震性能は、一度の大きな地震に耐える、という意味を含んでいるのです。

繰り返し発生する地震に関する備えではないわけなのです。「倒壊しない」、という意味は逆に書くと「損壊は仕方がない」ということ。要するに地震が発生して家が壊れることは許容します。家を守るわけではなく、生命を守る、ということが優先事項なわけです。

そして、どの程度の大地震に備えるのかという基準が「耐震等級」です。

制振ってどういう意味

さて、住まいに詳しい方ならご存知であろう「制振」とはどのような意味でしょうか。

これは、揺れをいなす、と書くとわかりやすいと思います。地震による強い揺れを、緩い揺れに軽減してくれるわけです。

物理的には、揺れるというエネルギーを熱エネルギーに変換します。

例えば、自動車のブレーキをイメージしてみてください。

自動車の運転中にブレーキを踏みます。この時、ブレーキディスクとの摩擦によってスピードが緩み、やがて停止します。この際のブレーキディスクはとても熱くなっているのです。

(実際に触ることはないでしょうが)

この理屈と一緒ですね。運動エネルギーが熱に変わることによって運動量が減る。地震の揺れるエネルギーが熱に変わることによって揺れなくなっていく。

この熱エネルギーへの変換をしてくれるのが制振装置です。

「耐震」と違い、「地震は何度も発生するから対策したい」と考える方には安心の装置です。

免震ってどういう意味

さて最後は免震です。

免震は耐震と制振とは全く考え方が違います。耐震や制振は地震の揺れは直接的に建物に伝わります。

免震は地震の揺れを建物に伝えない、伝えにくくする技術、なのです。

スケートボードの上に人が乗っていて、地面だけが横に動いたとイメージしてみてください。この時、スケートボードと人が動かないとすると地面だけが動きます。

もしくはスポーツジムにあるランニングマシーンをイメージしてみてください。走っても走っても、身体は前には進みません。足元の床だけが動きます。こういうイメージの技術です。

考え方が耐震や制振とは全く違うので、工事費用もかなり高額です。

また地面が揺れても建物は揺れないわけですから、建物の足元で地面が動きます。ということは見かけ上は建物が動いているように見えます。

地面が横に40cm動くとすると、見た目上は家が40cm動いて見えるわけです。要するに隣家や建物の隣に1m近い隙間が絶対に必要になります。

そうしないと家の隣の工作物に家が激突するんです。

まとめ|耐震、制振、免震の違い

いかがでしょうか。

物理的な説明をできるだけ省き解説してみました。

特に「耐震」に関しては性能が高いと「地震に安心」というイメージから繰り返し地震はやってくる、という意識が薄れていると強く感じます。

そういったことを理解していないプロの方も存在するので、ぜひお客様、みなさまには今回の記事を参考に住まいづくり、家づくりに役立てていただきたいと思います。

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あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。

2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。

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