『無添加住宅は健康住宅なのですか?」あまねこうが解説します|京都|工務店

画像:株式会社無添加住宅HPより

 京都市西京区でリノベーションや注文住宅を手がける「あまねこう」の中川です。

 先日、無添加住宅の正規代理店として加盟したあまねこう。たまたま知人から「無添加住宅って健康住宅なの?」と質問を受けました。独立をする時も、その時勤めていた社長から「中川さんは健康住宅を手掛けたいんだよね?」と言われました。

 はたして、無添加住宅は健康住宅なのか?解説していきます。

目次

無添加住宅はどのように始まったのか

 そもそも無添加住宅はどのように始まったのか。これは約20年前に体調不良(シックハウス症候群)を患った方からのご相談がきっかけでした。シックハウス症候群の原因は化学物質。それらを排除した住まいを建てたのが無添加住宅第1号。その際にお手本としたのが昔むかしの住まいです。

 土と木、草や紙などで家が作られていた時代に遡り、研究し、現代の構造や法律になぞらえて完成した住宅です。有害な化学物質を含んでいないことから「無添加」と名付けられました。

【動画】無添加住宅第1号のお客様(13分45秒あたりから)

健康住宅ってなに

 一般的には健康住宅は「自然素材などを使った人に優しい家」というような解釈がなされているように思います。この観点で考えると、無添加住宅は究極と言って良い自然素材の住まい。日本に存在する住宅の中でここまで自然素材で構築しているのは無添加住宅だけだと思います。

 しかし、自然素材だけで建てる家が健康住宅なのでしょうか。その意味では本当に無添加住宅は健康住宅なのでしょうか。あまねこうはそのようには考えておりません。

※以前に書いた記事「健康住宅ってそもそもなに?」が参考になると思います。ぜひご参照ください。

健康住宅に必要なのは「定義」です

画像:株式会社無添加住宅HPより

 家だけが健康でも、暮らす人が健康でなければ意味がありません。そして暮らす人の健康とはなんでしょうか。結局のところ、長く快適に住めることだけが健康住宅の定義だと思います。

 そして長く快適に住む、とはどういうことなのか。長く、ですから長持ちしなければなりません。長寿命のために必要なこととはなんでしょう。

 例えば、定期的なメンテナンスで住まいを維持する長期優良住宅。考え方はとても良いと思います。我々が家にはメンテナンスが必要なのだという意識を持つきっかけになった良い政策だと思います。

 しかし長期優良住宅においてはメンテナンスの項目がたくさんありすぎるように思います。メンテは必要ですが、メンテナンスが必要な箇所がそもそも少なければ安心できませんか。

フランス:石、漆喰など自然素材だけで作られた家。今の家と違い数百年経っても存在する。

日本:木、漆喰など自然素材だけで作られた家。今の家と違い100年以上経っても存在する。

「心配ごとが少ない住まい」が究極の答えかもしれません

画像:株式会社無添加住宅HPより

 このようなことから、健康住宅とは暮らしていく上での心配ごとが少ない住まいのことではないでしょうか。長年、建築の業界に身を置き、ようやく辿り着いた答えは「心のストレス」「身体のストレス」「暮らしのストレス」、これらが圧倒的に少ない住まいこそが健康住宅であると気づきました。

 ストレスが少ない住まいこそ、長く住める、快適に住める。そのような意味では、無添加住宅はコーキングを使わない窓周りの仕様だったり、漆喰を採用した外壁は、汚れることはあるものの外壁が傷むことはありません。

 長く住む上においてメンテナンスへのストレスを大きく減らせる。あまねこうが無添加住宅に加盟した理由の一つです。ハード面でも無添加住宅は健康住宅だとあまねこうは考えています。

 そして、みなさんが望む健康住宅とはどんなものでしょうか。みなさんが望む姿を得意にしている工務店を選ぶようにしてください。

 健康住宅とは業界がルールを決めるものではありません。住宅会社が決めることでもありませんし、工務店が決めることでもありません。

 健康住宅という4文字とみなさんの望む暮らしがしっかりと重なる建築会社をお選びください。

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー。実家は工務店。幼少より建築に触れながら育つ。大手ハウスメーカー、地域ビルダー、社員一人の工務店まで経験。営業マンからスタートし、それぞれの企業で事業マネジメントまで行う。2023年に独立。「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」など暮らしスタイルに必要な資格を活かし「家」ではなく「住まいづくり」というサービスの提供に力を入れている。