マイホームを購入・建築するとき、多くの人が「住まいのプロに相談すれば安心」と考えませんか。
プロだと思っていた相手が、じつは自分の希望とは異なる領域の専門家だった――そんなすれ違いが、後悔につながるケースもあるのです。
今回は、家づくりを検討している方に向けて、「住まいのプロ」と言われる人たちの違いと、相談・依頼する際の注意点についてお伝えします。
もちろん、それは間違っていません。ですが、「住まいのプロ」と一言で言っても、その中身や専門性は大きく異なります。
「住まいのプロ」って、誰のこと?

「住まいのプロ」と聞いて、多くの方が思い浮かべるのは次のような職種でしょう:
- 不動産会社(仲介業者)
- ハウスメーカー
- 工務店
- 設計事務所
一見どれも「住まいづくり、家づくりのプロ」ですが、それぞれの立ち位置や専門分野は異なります。
不動産会社と工務店のちがい

不動産会社は、土地や建物の「売買」を専門としています。
たとえば「土地を探している」「中古物件を購入したい」などのニーズに応えてくれます。一方で、建物の設計や仕様、素材選びといった部分にはあまり関与しません。
一方で、工務店やハウスメーカーは「建てること」が仕事です。
土地がある前提での設計・施工を得意とする会社が多く、デザイン・間取り・仕様の調整を繰り返しながら理想の住まいをつくります。
なぜ「プロ」でもすれ違いが起きるのか

問題は、どの立場のプロも「お任せください」と言ってしまうこと。
お客さまから見れば、どの業者も「家づくりのことは何でも知っている」ように思えてしまいますが、実際には得意・不得意があります。
たとえば「土地から探したいけれど、家にもこだわりたい」という方が、最初に不動産会社だけに相談すると、肝心の間取りや素材、予算、将来のメンテナンス性などに目が届かないまま進んでしまうことがあります。
その結果、「こんなはずじゃなかった…」と後悔するケースもあるのです。
まずは「何を実現したいか」を明確に

家づくりを始める際に大切なのは、「誰に相談するか」ではなく「何を実現したいか」です。
- 家族が安心して暮らせる家にしたい
- ランニングコストのかからない家にしたい
- 素材やデザインにこだわりたい
- 土地探しから丁寧に付き合ってほしい
その希望に応えてくれるプロを探すことが、後悔しない家づくりの第一歩です。
まとめ|「プロの肩書き」より「目的との相性」

「住まいのプロ」という言葉は安心感を与えてくれる一方で、正しく理解していないと判断を誤るリスクもあります。
肩書きや会社の規模ではなく、「自分たちの理想の暮らしを実現できるかどうか」にフォーカスして、相談先を選びましょう。
京都市で家を建てるなら地元の工務店へ
京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。
そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。
この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表
京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。
実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。
2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。
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いい住まいづくりをしないと失敗します。