長寿命な建物にする秘訣|軒とケラバにポイントがあります

「長持ちする家に住みたい!」これはマイホームを持ちたいと思う人誰でもが考えることでしょう。

戸建てに関していえば、「軒(のき)・ケラバ」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。この軒とケラバは建物の寿命におおいに関係します。簡単に解説いたします。

軒(のき)|長寿命な建物のポイント

まず、「軒(のき)」とはなんでしょうか。

軒は、庇(ひさし)に例えるとわかりやすいですね。建物の屋根の先までの部分。普通に屋根をイメージしていただいて、屋根が建物から出っ張っている部分です。

建物から突き出ていて雨風が凌げるような作りの家も昔は多くありました。この部分がしっかりあると、本当に雨を凌げることが可能です。壁に雨が当たることも少なくなるから傷みにくくなるわけです。

可能なら軒はしっかりあった方が建物のためには良いのです。

ケラバ|長寿命な建物のポイント

さて、ケラバとはなんでしょうか。

ケラバは、切り妻屋根や片流れの屋根において、地面に対して斜めになっている屋根の横の部分。
軒が有る面の横側の屋根の突き出た部分のことです。

京都市内のような都心部だと、隣地境界線ギリギリまで建物を建築したいと施主が考えることも多く、ケラバがほとんどない住まいも多く見られます。

建物の外観、シルエットとすれば軒もケラバもバランスよく突き出ている方がカッコいいと思うデザインが多いのも事実です。

軒とケラバの無い家

昨今、住まいの外観においてはモダンデザインがもてはやされ、軒やケラバの無い家がかなり増えました
デザイン住宅、デザイナーズハウス、などと呼ばれることもあります。

周りの建物と見比べても、スッキリとした外観になり、シンプルかつ目立ち、洗練された「最近の建物」という感じがします。

しかし、建物の寿命を前提に考えると重要なのは軒とケラバの機能です。軒やケラバが有ると無しでは寿命は大違い。建物の耐久性に大きく関わってきます。

軒とケラバの役割|建物の寿命

しっかりとケラバのある家は、屋根下の外壁が傷みにくくなります。雨漏れの可能性もかなり減少します。

このケラバがあるおかげで外壁の耐久性もさることながら「雨漏れ」に対して武装した住まいになるわけです。

誤解を恐れず書きますが、雨漏れの可能性がゼロの家は建ちません。壁と屋根が一体でない以上、雨の侵入を完全に防ぐことはできないんです。

知恵と工夫、技術で雨漏れを防ぐ努力をしているわけです。もちろんデザイナーズ住宅を扱う住宅会社様で、この部分にものすごく注力をしている会社様も存在します。しかし、見た目のデザインにだけ特化している工務店や住宅会社があるのも事実です。

デザインも確かに大切です。ですが長く暮らすお住まいを長寿命な住まいにしたいなら、防水紙や防水テープ、コーキングなどに頼り切るデザインはできるだけ避けた方が良いでしょう。

デザインにこだわる際は、大変ですが技術的な部分のご理解を深めることを強くオススメいたします。

京都市で家を建てるなら地元の工務店へ

京都での家づくりには、少し気をつけておきたい地域特有の事情があります。
たとえば「景観条例」に代表される独自のルールや、道幅が狭く土地の形が複雑な場所が多いことなど、他の地域とは少し異なる条件があるためです。

そうした背景をふまえると、地元での経験が豊富で、京都の家づくりに慣れている工務店を選ぶことが、安心につながるポイントになってきます。
土地や法規制に合わせたご提案や、現場でのスムーズな対応など、地域をよく知る工務店だからこそできることがあります。

あまねこう代表のプロフィール

この記事を書いた人

中川 高士:あまねこう代表

京都産業大学卒業。
2024年、京都府向日市より「向日市固定資産税評価委員会」委員を拝命。

実家が工務店という環境で育ち、幼い頃から自然と建築の世界に親しむ。
大手ハウスメーカー、地域ビルダー、そして社員一人の小規模工務店まで、様々な建築会社で28年以上にわたり経験を積む。営業職からスタートし、各社で現場管理・事業マネジメントまで幅広く担ってきた。

2023年に独立。
現在は「営業から現場管理までこなす建築マルチプレーヤー」として活動中。
「愛犬家住宅コーディネーター」「ホウ酸施工管理技士」「空気測定士」などの資格を活かし、「家を建てる」だけでなく「暮らしをつくる」ことを重視した住まいづくりのサービスを提供している。

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